2023年度のターナーアワード大賞受賞者で、現在ターナーギャラリーで個展を開いている石井さんに受賞インタビューを行いました!ターナーアワード応募した時のお話や今回の個展の見どころのお話をいただきます!
ターナー:
TURNER AWARD 2023では、たくさんのご作品の中から見事「大賞」のご受賞、おめでとうございました。石井さんワールドといいますか、引き込まれるような世界観がとても魅力的で、昨年の審査会でも審査員の方々が様々な考察をされていらっしゃいました。ご普段の制作の中でどういったものからインスピレーションを得られていらっしゃるのでしょうか?
石井さん:
ありがとうございます。1980年代ごろの音楽や映画が好きで、そういったものにインスピレーションを受けていることが多いです。特に実在しない生物、ETやゴジラなんかが好きで、物体と生物を融合させたイラストやオリジナルキャラクターの制作を昔からよく考えたり、描いたりしていました。それらがかけ合わさって、僕独自の世界観が広がるんだと思います。
個展のビジュアルにしたこの作品も、電車のパンタグラフをカブトムシの角に見立てて、メープルシロップ(樹液)をかけたり、顔の表情をつけました。この作品みたいに実際に見たもので着想を得たり、自分の好きなものから、ふとして降りてくるもので作品を制作しています。
ターナー:
確かにパンタグラフは角に見えますね…なるほど! 今回初めてのご個展とのことで、ぜひ他にもおすすめのご作品などございましたらぜひお教えください。
石井さん:
やはり「夕焼けの園」です。こちらは、ライト兄弟の複葉機の羽の隙間が虫かごに見えたので、羽の中に虫を閉じ込め、体は蜘蛛と合体させました。背景は夢で見たことのある夕焼けや、焼け跡を再現しました。海岸線を何度も描き直しているうちに、様々な色の線が生まれてきて、提出の夜ギリギリまで絵の具と戦っていました。
ターナー:
本当に見応えのある作品ですね!それでは最後に、今後のアーティストとしてのご展望をお教えください。
石井さん:
美術表現を磨くことで自分の世界観をより深く表現できるようになりたいと思います。今回の展示作品の中にも、挑戦として自分の中で新しい技法や表現をした作品があります。美術系の大学に進学して技術を磨き、最終的には自分の作品をたくさんの方に見ていただけるような有名な画家を目指したいと思っています。
◉ Profile- 石井彰 (Sho Ishii)
新渡戸文化高等学校在籍・卒業予定
アクリルや油彩で、1980年代の音楽や映画からインスピレーションを得た独自の世界観を持ち味とした作品を描く。2023年「夕焼けの園」にて TURNER AWARD 2023 大賞受賞
2025年3月22日まで、ターナーギャラリー(東京都豊島区)にて、「石井彰 17→18展」を開催中(ここに展示会のリンク)
◉ TURNER AWARD(ターナーアワード)とは
絵具メーカー「ターナー色彩株式会社」が主催する、アートを志す学生・若き才能のための公募展・コンクール。2024年度は、O JUN、長尾 謙一郎、松井 えり菜、山口 晃を審査員に迎え、全国から832件の作品が集まった。