
フルイドはキャンバスの上に、pouring(絵の具を注ぐ)やpuddling(絵の具を水溜まりのようにする)、dripping(絵の具を滴らせる)やdragging(塗った絵の具を毛先などで引きずるようにしてこすり取る)などの特殊な効果を出すことができます。絵の具を垂らすときのスピードや画面からの距離、注ぎ口の大きさや形を変えることで絵の具の流れや液滴の大きさ、形をコントロールできます。色の違うフルイドを同時にあるいは時間をずらして一緒に使うと面白い技法ができます。

フルイドは筆の含みが固い絵の具よりも均一な上に絵の具の筆離れが安定しているので、均一な筆さばきを長く続けることができます。これが低粘度という性質からくるフルイドの特徴の一つです。顔料濃度が高いと同時に厚みのない描画を可能にします。粘度の高い絵の具をうすめてもこのような表現はできません。

完成後はすぐれた耐久性と耐色性を発揮。仕上がりの美しさを保ちます。酸やアルカリ、紫外線に強く、屋外では約5〜10年、屋内なら半永久的に作品を保護します。油絵具のように亀裂が生じたり、焼けて変色したりすることもありません。また、キャンバスや紙だけでなく、幅広い素材にフィットする頼もしい接着力を発揮。さまざまなものに自由に描け、しかも美しい仕上がり。描きたいモノ、描きたいトコロがキャンバスです。

フルイドの乾燥塗膜は柔軟性に優れ、他の天然や合成の樹脂系絵の具で起こるようなひび割れの可能性が大幅に少なくなっています。運搬時や温湿度変化に伴う伸縮によってキャンバスにかかる定常的な圧迫や引っ張りの力を吸収できることが利点です。

フルイドは、メディウムや下塗り材、ジェッソ、ゲル、そしてゴールデンアクリリックスなど、ゴールデン商品と混ぜることができます。粘度の異なる絵の具を混ぜることで、色の強さを犠牲にすることなく実質的にさまざまな固さの絵の具を作ることができます。