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更新履歴
2006年の日記
2006.11.27
冬支度
2006.3.28
試作品
2006.2.26
品質の対価
2006.1.31
絵具セット
2006.1.17
私と絵具
2006.11.10
アンブリーチト・チタンにドーピング
インターネットを見ていて、「アンブリーチト・チタン(無漂白の酸化チタン)」について述べられているものをいくつか見かけましたが、私はこの色に関するギャップを多少なりとも埋めることが出来るだろうと思います。

まず、アンブリーチト・チタンは、ボクー・アーティストカラー社が1960年代半ばに最初に製品化したものです。もともとはオフ・スペックのチタニウムホワイトを使って絵具を作ってしまい、後からそれが分かったことが発端です。私の父、サム・ゴールデンはそれを廃棄する代わりに新色として「アンブリーチト・チタニウム」という名前をつけたことが、製品の誕生になったのです。その製造ロット品がなくなった後は、アンバーなどを混ぜて調色して製品にしていました。

1980年にゴールデン社が絵具生産を始めたとき、人気のあるこの色に良く似た(もう少し温かみのある)二酸化チタン顔料を見つけましたが、それは通常とは違うプロセスで生産されていました。この顔料は、おなじみの従来からある酸化チタンとは違ったバフ色(うす黄色のなめし皮の色)をしています。粒子径が大きく、吸油量も違い、その色はとても人気がありますが、酸化チタンの結晶の中に微量(1.5%)の酸化鉄を添加した構造(ドーピングという)をしています。私たちはこの色を「アンブリーチト・ホワイト」と混同しないように「チタン・バフ」と名付けました。これは単一の顔料で、他社が作っているような混ぜものではありません。

私の父は様々なものを生み出す発明家で、絵具で遊ぶのが好きでした。こうしたことから時には驚くべき結果が生まれましたが、多くの場合は単にわけが分からなくなった事態を何としようとしているようでした。それが単に新しい知識を得るだけだとしても、常に間違いの中から価値を生み出そうとしていました。「アンブリーチト・ホワイト」の場合、彼の間違いが業界内でスタンダードとなった色を生み出したのです。
オリジナルページに書き込まれた
アーティストからのコメント1
こうした歴史の話はとても魅力がある。顔料の由来や、その色がどうして出来たのか、なぜそのような使い方をされるかなどを知ることは楽しい。ゴールデンのチタンバフと他社の「アンブリーチト・チタン」との違いは興味深い。アンブリーチトの色はよく4から5種類の顔料が表示されているのを見るので、なぜゴールデンの絵具は一つの顔料しか表示されていないのか不思議だった(マークさんは土系の色で調色していると書いている)。おかげで知らなかったことが分かり、ゴールデンの絵具をさらに好きになった。その理由はゴールデンのすることと、我々が得るものの間に相応の理解がいつも築かれているからだ。 よい仕事を続けて欲しい。

アーティストからのコメント2
チタンバフがとても好きだ。土系の色を明るくする場合、チタニウムホワイトのような味気ない色にならない。あるいは明るめの(ぼんやりした)肌色を、少量のキナクリドン・クリムソンや土系の色で作るのにもよい。 加えて、白すぎないから色々とできることが数多くある。

アーティストからのコメント3
何とも面白い。私の絵では白の代わりにチタンバフを多く使うが、その由来については知らなかった。またニュートラルグレー#7も寒色を明るくする場合に同じように使う。 昨年、あまりに使いすぎるのが怖くなって1週間くらいパレットに出さなかった。しかしゴールデンが既に作ってくれている色と同じ効果を別のもので調色することになり、かえって時間がかかったので、また使うことになった。