ゴールデンアクリリックス
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この日記はゴールデン社
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更新履歴
2006年の日記
2006.11.27
冬支度
2006.3.28
試作品
2006.2.26
品質の対価
2006.1.31
絵具セット
2006.1.17
私と絵具
2006.10.04
光沢の復活?
この数年の間、アーティストがガラスのような非常に高い光沢を作品に取り入れる傾向が復活しているように見えます。長い間、私たちはアーティストからそれとは逆の、全く光沢のない仕上がりを要望されてきました。それは彼らが土臭い、生の原料のような感触を出そうとしていたからです。この非常にツヤ消しな画面は、それが色彩豊かなキャンバスのステイン技法から生まれた伝統であろうと、イヴ・クラインの最小限の色であろうと現代絵画の一部でした。このような、材料に直接接しようとする感覚はとても重要なものです。これはまた、テンペラに鉱物性顔料を使った非西欧的伝統絵画の再発見にも見られます。

光沢のある画面は、アクリル絵具を直接使ったり、ワニスを何度もかけた画面を作るアーティスト以外にはどこにもみられないようでした。光沢のある画面は光を反射しすぎるという感覚があったようです。そのような画面はその反射のために写真に取ることが困難でした。しかし、美的な方向性を理解すると、アーティストは世界をひっくり返しました。この数年の間、明らかに色の冴えと光沢画面の輝きを評価する新しい動きがあります。この新しいトレンドは1960年代のロン・デイビスなどの初期の作品で、ポリエステルやガラス繊維サーフボードの仕上げなどに見られる新しい合成コーティング材をそのまま直接使った描画を元に成立しているようです。多くのアーティストたちが多くの新しいアクリルゲルやグロスメディウムを試し、光沢のある画面を作ることが増えています。立体的な水彩画というような、全く新しい作品のジャンルを展開しています。水彩のように透明な薄い層の塗り重ねによる発色だけでなく、非常に透明感のあるゲルによって盛り上げた画面では、文字通り色がこの水性画材の中で画面の上に漂っています。

しかし最近のこと、この6年ほどは非常に光沢の高い画面を求めるアーティストが出てきています。重ねた層から色が見える透明性だけでなく、よく磨かれたラッカーのような光沢です。これは絵具メーカーにとって新しいチャレンジです。アーティストが自ら塗って、傷のない光沢面の下に非常にパンチのある色を出すこと。このようなレベルの品質の最も難しいところは、光沢を出すことでも滑らかな面を作る性質でもなく、完全な透明性を創り出すことです。このところ、光沢があって、比較的粘度が高いものから、かなりクリーム状の粘性で、流動性のあるメディウムをいくつか作りました。どのくらいまで厚みを上げながら、透明性を保てるでしょうか。ここで私は立ち止まってしまいます。これは私には予想できない部分です。100年後、500年後、こうした画面は高い透明性を保っているでしょうか。

この新しい手法で制作しているアーティストに提案をしなければなりません。警告事項があります。なるべく薄く塗ってください。厚く塗るほど透明性が低下する可能性があります。またそうした透明な画面をしつこく描画しないようにしてください。作業をすればするほど、泡を巻き込んでしまいます。そうすると透明感や光沢が著しく低下します。

さて、私は警告しましたが、それは無視されることは分かっています。そして画家であるあなたはそうすべきなのでしょう。新しい画面を試し、手に入れる手段を試すのです。私たちは、あなたたちの傍にいて、手助けを続けましょう。

補足事項 当社の技術サポートチームと話し合ったとき、サラ・サンズはこの問題に対する彼女の考えについてのメモを送ってくれました。いつものことですが、これほどの多くの助言者を持つ組織を率いていることを幸運に思います。ここにサラの素晴らしいメモを掲載します。

「光沢面とツヤ消し面の間に起こる綱引きは、美術史における長く深い思考体系につながるものと思います。それは古典とバロックの間に起こる緊張感にルーツがあります。あるいは機械的/工業的なクールさに対する、手作りの形の崩れた画面との対比。印象派の変化に富む画面と、サロンの磨かれた床、彫刻ならデヴィッド・スミスとドナルド・ジャッド。あるいは石の堅さは色と表面が一つに見える、それに対し光をよく反射する水面では光は表面で踊って行く手を阻むような膜を感じさせる。もちろん、これらは両極端であり、多くの素晴らしい作品はその中間で、両端からの緊張を高く保つところにあります。まるで柔らかいぶどうを硬い歯にはさんだような。 サラ」

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注)
ロン・デイヴィス(ロナルド・デイヴィス):アメリカの作家で版画を主として制作
イヴ・クライン:青一色で作品を作ったことで有名な作家、インターナショナルクラインブルー(樹脂とウルトラマリンの混合物)という独自の青を作り特許をとっている
デヴィッド・スミス:アメリカの抽象彫刻作家、鉄を使った曲線的あるいは複雑な形の作品が多い
ドナルド・ジャッド:アメリカのミニマル・アート作家、シンプルな直線的作品や家具等を制作、建築でも有名
オリジナルページに書き込まれた
アーティストからのコメント
私の作品では光沢の多様性は重要だ。過去の作品はとくにそうで、昔の作品ではゴールデンの絵具で可能な限りの光沢のある面から、全くツヤのないステイン技法を施した生のキャンバス面まである。しかし最近は、全体のツヤを統一する方向にある。それはワックスのような光沢で、インターフェアレンスカラーの輝きがあり、かつ光の反射で画面が見にくくならない程度に抑えた光沢だ。しかし、非常に高い光沢のある面も私にとって重要だ。鏡のような質感で色が非常に冴えたものが好きだ。

アーティストからのコメント
私はどちらかというとサテン光沢が好きだが、高い光沢面も試してみたくなった。

アーティストからのコメント
グロスの仕上げで色に深みが出るのが好きで、特に透明なグレーズや暗い色がよい。これはゴールデンの絵具が光沢を統一しないという基本理念を好む理由の一つでもある。透明な顔料は光沢のある仕上がりにしたときに最も深みが出ると思う。全体を光沢のある画面に仕上げると、色や暗い部分が本当に純粋になって作品に深みを与える。作品構成として、一つの画面に光沢面とツヤ消し面のコントラストをつけるのも好きだ。例えば、パサパサの膚色をした面に光沢のある血の赤を垂らして臓腑のような効果を得る手法が好きだ。ガラスのように硬く、アクリルがエナメルのように見えるメディウムを探している。超光沢メディウムを作って欲しい!

マークさんの返事
GAC200(国内未発売のメディウム)は試されたでしょうか。硬い支持体を使う必要がありますが、非常に強くガラスのような質感を与えます。
アーティストからのコメント
私はコラージュを制作しているが、興味深いツヤのトレンドを読んでから、もっとツヤのあるものを使い出した。それとセミグロスをフルイドに混ぜたらどうなるかもみている。面白いブログをありがとう。ほんの少しのことがどんなに我々の作品に影響するか、誰にも分からないものだ。

アーティストからのコメント
ずっと油絵具を使っていたが、今はアクリルを多く使うようになっている。ミシガン州ミッドランド゛で2007年1月にゴールデン・レクチャー/デモがある。予約の電話をしたが(10月の時点で)すでに満員だった。レクチャーはどういう風にアレンジされているのか。レクチャーに是非参加したいのだが。

マークさんの返事
ワーキングアーティストは、それぞれ独自にレクチャーのプランを立てています。当社のコーディネーターに、あなたが参加できるかどうか連絡するようにしておきました。
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日本では2名の米国人ワーキングアーティストが大阪を中心に講習会をしています。東京を含むそれ以外の地域では、ターナー色彩が類似の講習会を行っています。ある程度の人数が集まれば講習内容や日程、講習参加費(内容、講師などにより無料の場合もあり)などの調整をして実施できますので、ご希望があればターナー色彩企画室までご連絡ください。
ターナー色彩(株)企画室