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この日記はゴールデン社
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更新履歴
2006年の日記
2006.11.27
冬支度
2006.3.28
試作品
2006.2.26
品質の対価
2006.1.31
絵具セット
2006.1.17
私と絵具
2006.9.5
混色と単一顔料の色
ゴールデン社の短い歴史において、私たちは単一顔料の色を作っていることに誇りを持ってきました。混色を始めたときは、パーマネントグリーンライトとキナクリドンクリムソン(使用顔料はすべてキナクリドン顔料)だけでした。ゴールデンの基本理念は最も純粋な形で色を提供することであり、最近の色彩トレンドや伝統的な色使いなどの色彩空間での配置にとらわれないということでした。

要望に応じて混色した色を作り始めたときは、あたかも低級品のようにゴールデンの標準品とは別ものとして扱っていました。6年以上前、およそ300人のアーティストに彼ら自身の色、あるいは伝統色(入手不可能であったり毒性がきつかったり耐久性がないため、本来の顔料は含まない)を予め混色したものが可能ならどうするかを尋ねました。調査したアーティストの90%以上が、「混色した色を作って欲しい」というものでした。

マイケル・ウィルコックスは最初に著した色彩の本で顔料を混ぜた色の絵具に反対しています:混色した色は単独顔料の色ほどに澄んだものではないといっています。これはほとんどの場合、真実です…しかし実際には私たちが単独のものと考えて使っている顔料そのものが既に混合物なのです。例えば、すべてのカドミウム色は生の顔料の色調整をするために、黄みや赤みの色を混ぜています。多くの顔料メーカーの生産工程でこうしたことが行われています。顔料を標準色に保つために、何らかの他の色調の顔料を混ぜているのです。

私は正直なところ、当社の伝統色シリーズの成功に驚いています。あるアーティストが言いました:「もちろん自分でプルシャンブルーを色合わせすることは出来るが、それは私のグリーンの調整にごく僅か使うだけだ。そのために何度もプルシャンブルーの色合わせはしたくない。チューブからその色が出てすぐに混ぜられるものが欲しい!」。こうした色を非常に重要視するアーティストもいるようです。あるいはフレッシュ・トーン(肌色)を望む人もよくいます。

絵具のブランドによっては、単独顔料はほとんど使わず混色した色を特色としているものもあります。私は、それは私たちのとるべき道ではないということに自信を持っています。これからも単独顔料の色に魅了され続けるでしょう。絵具を作る身としてこれは避けられないことだと思います。それは最も清澄で強い色彩を与えるのです。しかしみなさんにとっては、単一顔料はどのくらい大切なのでしょう?
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注)マイケル・ウィルコックスの本:"Blue and Yellow Don't Make Green" (理論的には)青と黄色では緑は出来ない、というタイトルの混色に関するガイドブック
オリジナルページに書き込まれた
アーティストからのコメント
キナクリドン色の話が出たので聞きたいが、キナクリドンゴールドが廃止になった本当の理由は何か。大量に消費する建築や自動車関係での使用量が少ないのが原因と聞いたことがある。

マークさんの返事
こんにちは。キナクリドンゴールド顔料を作っていたメーカーは化学的に同じ顔料を今も作っていますが、私たちの使っていた顔料はもう作っていません。以前の色調は素晴らしいものでした。非常に美しい下色(薄めたときの色)と豊かで暗い濃色(薄めずに塗ったときの色)を持っていました。生産を中止した理由は推測するしかないのですが、生産工程の変更、原料の廃止、大口顧客からの色調変更要請、環境規制などが考えられます。この色が建築用に使われたことはないでしょう。ハウスペイントは12色のカララント(調色材)で調色し、色調も魅力のある色はほとんどありません。これはプラスチック工業で使われていましたが、一番の大口は自動車産業でしょう。調色しなおしたキナクリドンゴールド/ニッケル・アゾが満足いただける色であればよいのですが。
アーティストからのコメント1
アトリエにはゴールデンの色が60%以上あるが、単一顔料が特に好みだ。特にキナクリドンゴールドは重要なので、廃止になると分かったときには買いだめをした。これからも単一顔料の絵具を作り続けて欲しい。ゴールデン以外のアクリル絵具を使うことはない。

アーティストからのコメント2
多くの人がキナクリドン色を好むようだが、私にはこの色は強すぎて使いづらい。私はオリジナルのローズマダーやカーマイン、緑土、オーレオリンなどを使う数少ない絵描きだと思う。多くの人がもっと耐久性のある色を勧めるが、私の場合は、作品は複製画像としてしか残さずオリジナル作品は捨ててしまうか倉庫に入れてしまうので、それはかまわない。

マークさんの返事
ローズマダーやカーマインが好みならば、キナクリドンバーントオレンジやキナクリドンゴールドを是非使ってみてください。保証します。またトランスペアレントイエロー、レッドアイアンオキサイドも試してください。素晴らしいグレーズができます。キナクリドンのレッド、レッドライト、ヴァイオレットについては強すぎるとおっしゃることは分かります。天然のローズマダーを何ヶ月も見続け、キナクリドンゴールドやバーントオレンジにその色の要素があると分かりました。あるいはキナクリドンクリムソンや新しいアリザリンクリムソン・ヒューを試してください。これらの色はグレージングに適した驚くほどの鮮やかさがあります。ニッケルアゾは原色ではとても汚く見えるかもしれませんが、混色やグレーズにはお勧めしたい便利な色です。複製だけを残すならば、退色については問題にならないかもしれませんが、それでもこれらの色を一度使えば夢中になるでしょう。
アーティストのコメント3
単一顔料か混合顔料か。どちらも好きだし、コバルトブルー・ヒューなどの色も問題なく使っている。新しい伝統色シリーズも歓迎だ。キナクリドンやパイロール色は混色の可能性を広げた。絵具の色名はあまり気にしていない。私にとって使えるかどうかの基準は顔料濃度であり、次に色相がどのあたりかを見る。現在は12から15色を使って制作している。

アーティストのコメント4
混合か純粋かについては何もいうことはない。色が鮮やかで、透明感があるかどうかが問題だ。私はスペイン、アフリカ、南米の混血だが、フレッシュトーン(肌色)とはどんな色を指しているのか?

Mark D. Gottsegen教授のコメント
素晴らしいコメントだ。生徒がフレッシュカラーについて訪ねてきた場合、課題としている肌を観察しろと指導している。白人はこの点に気が付かないが、非白人は気が付いている。
アーティストのコメント5
顔料の選択は画家の個性だと思う。ある色が好きだということが多いだろうが、混色知識が不足している場合もある。

アーティストのコメント6
私は単一顔料の色しか買わない。ゴールデンが混色による伝統色を出したときはがっかりした。もっとユニークな単一顔料色を増やして欲しいものだが、伝統色が成功だというのだから、私は少数派なのだろう。単一顔料でも伝統色に近い色は出たのではないかと思う。アリザリンクリムソン・ヒューとしてパイロールルビー(PR264)を出す予定はないのか?