ゴールデンアクリリックス
ゴールデンフルイド

AboutGolden

この日記はゴールデン社
aboutMarkGolden
更新履歴
2006年の日記
2006.11.27
冬支度
2006.3.28
試作品
2006.2.26
品質の対価
2006.1.31
絵具セット
2006.1.17
私と絵具
2006.2.26
品質の対価
最近のこのblogを読んだユーザーからゴールデンの絵具は何故安くないのかというメールをいただきました。blogに直接書き込まれなかったお気遣いに感謝しています が、この質問は公の場でお答えすべきものと考えました。

簡単には答えられない質問です。実際のところ、答えはゴールデン社の創立時に組み込まれたものです。私たちはユーザー、従業員、地域社会の全員が誇りに思えるような会社にしようと懸命に働いてきました。これは容易なことではありませんが、その道程は素晴らしいものでした。お互いに意思を伝え合おうとすればいつも、私たちが特に注意していること、そして価値について多くを語らねばなりません。

その始まり以来、私たちは、兄が言うには、必要から美徳を作り出してきました。カラーチャートを印刷するお金がないときには、その代わりに母がキッチンテーブルで手塗りのカラーチャートを作りました。今年は、当社のスタッフ(ニューヨーク州や近隣で)は、8万枚以上のチャートやバナー、ディスプレイ、シャツなどを塗りました。私は、アーティストが印刷見本ではなく実際の材料を見ることが大切だといつも思っています。また未だにすべてのラベルに実際の色を塗ることを続けています。今年は、スタッフは百万枚以上のビンラベルを塗りました。これはアーティストが購入する際に容器の中にまさに何が入っているか自信を持つことができるようにという私たちの署名です。事実、当社のバナーやディスプレイをご覧いただけば、それはすべて当社で手塗りしたものなのです。これが私たちの活動の一部でしかないとすれば、それは競合他社すべてとの差別化となるでしょう。またこうしたことをニューヨーク州北部で続けられることをありがたく思っています。こうした仕事を必要としている地域社会に価値のある職業を提供していることを。

仕事を始めた頃、父と私はいつか活動的な研究室を持って、現代の材料が直面する問題を研究したり、個々のアーティストへの特注品を続けることを夢見ていました。今ではアクリルについて研究する絵具研究室としては世界でも最大規模になりました。修復分野では8件以上の研究論文を出しています。他のメーカーも当社の出版物や開発製品を製品改良や品種増に役立てています。これはこの業界にとっては素晴らしいことです。私たちは業界における「画材試験法の規格」を作りました。もしこれが当社の研究開発部のためだけであったら、私たちは業界から孤立していたことでしょう。

アーティストのための資源となろうという私の望みは、創業当時、毎週個々のアトリエを訪問していた頃からです。当時、毎週木曜日の夜にはゴールデン社の現在ある場所からニューヨーク市まで車を走らせ、金曜と土曜はアトリエ訪問に費やし、土曜の夜に帰宅する。これを10年間繰り返したのです。これは私のキャリアの中でも一番わくわくした時期です−訪れたアトリエのアーティストたちは私にとってはまさにヒーローでした。このような小旅行ができなくなってからは、社内でアーティストの相談に乗る手段を見つけなければならなくなりました。現在、当社にはアーティストからの技術的な課題に応えるためだけに4人の専従スタッフがいます。今年は9000通以上のEメールや電話、手紙に応えています。ワニスの塗り方、下地、絵具などなど... 競合他社を助けるようなこともあります。私たちはアーティストに対しこうした資源を提供し続けられることをうれしく思います。繰り返しますが、これはこの業界では類のないことです。

製品を広げる大使としての私の仕事には、全米だけでなく世界を回って材料について説いて回ることまで含んでいます。生徒や学校が自分たちの使う材料を理解しようとして直面している課題−画材に何ができて何ができないかを知ること−について一緒に取り組むことはとても楽しみです。ここでも、教えて欲しいという要望に私一人では応えきれなくなっているため、非常に優秀な先生たちを採用し、学校ではかなり不十分な材料に関する教育を補佐することができました。私たちは世界中で美術グループや学校に教育を提供するアーティストをパートタイムで雇用しています。現在約40名が活動しています。繰り返しますが、これはどこのどの企業のものよりも詳細な教育訓練プログラムです。また多くのアーティストに雇用を提供する点でも素晴らしいものです。

1980年代に専門家用アクリル絵具を作り始めたときは、絵具30色、ゲルメディウム1種、モデリングペースト1種、マットメディウム1種という状態でした。やがてアーティストたちからのアイデアや特注の要望を受ける中から、製品群は世界中のどこのどのメーカーよりもユニークで幅広いものに成長しました。

しかし「世界中すべてのプロフェッショナルアーティストのために最良の製品を造る」という父のコミットメントは今でも生きています。そのための努力は厳しくかつコストもかかりますが、そのおかげで高品質の製品を生み出すことができます。私たちは、ここニューヨーク州コロンバスで生産することを誇りに思っているのです。

従業員や地域社会すべてをとりまく環境のよき先達となるために必要な決意や独自の道程には、しなければならない項目が果てしなく続きます。それら全ては、私たちの創造的なコミュニティーにさらによりよい素晴 らしい価値を提供するための努力なのです。

当社は現在、従業員オーナー企業です。といってもすべての仲間がこの同じ情熱や使命や展望を持っているわけではありませんが。私としては、当社が提供する資源を頼りにしているアーティストがいることを信じて います。彼らの作品を成功に導くためには出来る限りのお手伝いをします。私は世界中で最も有能な個人作家たちへのアシスタントであることを特別な名誉と感じています。
オリジナルページに書き込まれた
アーティストから
ゴールデンのアクリル絵具は高いと思うかも知れないが、絵描きは品質のよい製品を買うものだ。一定した高品質の絵具は決して高いとはいえない。ただカドミウム色は時として予算オーバーになることがある。パ イロールやハンザの色は色調も強く混色もきれいだというのは知っているが、カドミウム色は特別な何かがある。チューブを開けたとき、ときめきのようなものを感じる。初めてカドミウムプリムローズイエローの4オンスボトルを開けたときのことを覚えているが、まるで太陽のようだった。その強烈な色は衝撃だった。 コバルト色やセルリアンブルーが高いのは顔料が高いためだ。カドミウムやコバルト色は恐竜が絶滅したようにやがてなくなるのだろうか。

マークさんから
ご質問は常に社内でも扱っている問題です。カドミウム取り扱いに関する規制や社内管理は非常に重要です。これらの製品に関わる従業員は顔料を攪拌したりミルで粉砕する場合は完全な服装と遮断された環境で行わなればなりません。また彼らに対し毎年血液中のカドミウムや重金属量の検査を実施しています。 これは絵具に対する冒涜となるかもしれませんが、本心としてはこれらの製品を不必要にするような完全な顔料が開発できたらと願っています。赤についてはかなり近づいており、パイロール色を汚してカドミウムの代替にすることが可能です(耐久性も増します)。しかし黄色については難しいことが分かっています。努力を続けていますが、やはりカドミウム色の生産を続けざるを得ないでしょう。しかしそれが不要になればありがたいことです。伝統はよく分かっていますが、従業員だけでなく顧客も含めての安全性や、カドミウムが廃水に混入することを考えると、代替品が出来上がった暁にはそれは誰にとっても進歩であると思うのです。
アーティストから
「値段に見合ったものが手に入る」というアメリカの諺が正しいなら、社会貢献度の高いゴールデン社が作る高品質の製品はもっと高くてもよいと思う。中国製など労働者や環境を犠牲にした上で安価になっている製品を買おうとは思わない。

マークさんの返事
コメントをありがとうございます。人はみなお互いにつながっています。私たちの関わっている創造的な分野は非常に小さいのは事実ですが、複雑な人類のエコシステムの一部でもあります。(昨年の)ハリケー ン・カトリーナのいたましい被害に対する援助も、自分たちが価値あると思うことへの些細な努力も、一部の活動に関わることは全体のシステムに何らかの影響があると考えています。
アーティストから
米国以外では大きなボトルサイズのゴールデンが入手しにくい。

マークさんの返事
お店が大きなサイズの絵具は学生グレードの廉価品しか置かないことはよくあることです。理由は分かりませんが、典型的なことです。私がアクリル絵具を作り始めた当時は、絵具はチューブ入りだけが専門家用で大きなボトル入りは低品質と考えられていました。 またアーティストの中には、自分の使っている絵具を内緒にしたいために無地のラベルを貼るように頼む人もいました。多くのアーティストが互いに情報を共有しようと考えるようになることを願っています。私が無知なだけでなければよいのですが。