Golden History

Just Paint issue 8
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GOLDEN Acrylic Gazing Liquid

執筆者:Mike Townsend

 

ゴールデン社のAcrylic Glazing Liquidは、100%アクリルポリマーエマルジョンでできた絵具です。もっと時間をかけて制作に打ち込みたいと願う多くのアーティストにとってこの製品は重宝です。アクリルポリマー、水、リターダーを混ぜ合わせただけですが、レベリング性と筆のテクスチュアを浮き立たせる完壁な組み合わせになっています。Acrylic Glazing Liquidは、既存のどのアクリル絵具よりも色を混ぜあわせエッジを柔らかくできる時間が長いので、薄く均一の塗膜に仕上がります。

多くのアーティストにとりアクリルの速乾性は、創作意欲がすぐ実際の絵として具現化されるという点で、この画材の利点となっています。しかし一方ではその速乾性をいやがるアーティストもいます。アクリルは色を混ぜてエッジを柔らかくできる時間が短く、これはオープン・タイムが長い方が良いというアーティストにとってはどうすることもできない特性でした。このために、油絵具にはない描写方法と製品で目標を達成しようとするアーティストには葛藤が生じることがありました。

 

リターダーの使用

アクリルの乾燥時間を遅らせようとして、アーティストたちはアルコールやグリセリンなどの添加剤を加えたりさまざまな方法を試みました。リターダーが一般に知られるまでは、ほとんどの試みは失敗に終わり思うような結果を得ることができませんでした。唯一リターダーだけがアクリル絵具の乾燥を遅らせるのに有用な配合物でした。正確な配合に基づいてきちんと混ぜ合わせるのはきわめて難しい作業です。絵具の粘度を低下させることなく、あるいは粘着性がいつまでも続くことなく、安全に加えられるリターダーの正しい量を把握することは難しいでしょう。なぜなら他の外的要因に左右されるからです。だからと言ってリターダーが役に立たないと言っているのではありません。実際に多くのアーティストが上手にリターダーを使用しています。ただし、満足の行く性能を得るために使用するごとに必ず試験や実験を行うことが必要です。

 

AGLの歴史

Golden Acrylic Glazing Liquidは、従来の油性絵具に対抗できる毒性のない水性のデコラティブ・グレーズを作ってほしいというデコラティブ専門画家の要望から生まれました。デコラティブ・アーティストのためのシステムを構築する際に細かく検証した結果、この新製品はファイン・アーティストにとっても有益なものになることがわかりました。保存性試験と乾燥時に良い塗膜ができることを確認した後、GOLDEN Acrylic Glazing Liquid(AGL)が製品化されました。

AGLは、実際にはアクリルポリマー、リターダー、水を混ぜ合わせた物で、AGLのレベリングや厚み特性に有効なAcrylic F1ow Releaseなどの添加剤が含まれています。これらの特性により、オープン・タイムが長くなり、筆運びが良くなり、混ざり具合も滑らかになります。

 

油性のようなグレーズ

油絵画家は乾燥が遅く粘性のある絵具を選び、メディウムを加えて速乾性のあるグレーズを作ります。グレーズは通常、塗って2,3日以内に重ね塗りできるくらいの速乾性が必要です。速乾性の高いアクリル・クレーズでは実質的にその逆が必要で、広い面に効果的にグレーズを塗るためにオープン・タイムを長くする必要があります。絵具にリターダーを加えることは、オープン・タイムを長くするための一面でしかありません。表面の吸収性、空気の流れ、温度、湿度を考慮することが重要です。これらの条件をうまく調整すると、オープン・タイムはずっと長くなります。(右写真:油絵のようなグレージングテクニック)

 

技術:

Go1den AGLが使える多くの素晴らしいテクニックがあります。

 

ウェット・イン・ウェット

パレット上で絵具とAGLを同じ割合で混ぜ合わせます。AGLの混ざっていない絵具に比べて、オープン・タイムが少なくとも2倍になることがわかるでしょう。AGLの量を増やすと、約30分以上作業時間を延長することができます。

 

絵具を塗る前の下塗り

AGLは表面をとても滑らかにし、絵具が滑るように行き渡ります。ゴールデン・マット・メディウムやゲルあるいは他のメディウム製品を一回塗りして絵の表面を覆い、充分に乾燥させてください。平筆を使ってAGLを均一に塗り、湿り気があるうちにこの薄膜に描き始めます。この技術によって、AGLを混ぜなくても塗膜が均一に仕上がります。

 

絵具と混ぜる

「グレーズ(透明な顔料を塗る)」という名前に惑わされないでください。どんな色と混ぜても11の配合であれば、不透明なままです。AGLの量を増やすのに比例して作業可能時間は長くなります。加えすぎや、正確な比率にこだわる必要はありません。必要に応じて混ぜてください。

 

表面がべとついたときAGLを加える

作業を開始して30分から45分経つと筆が滑らず表面がべたつくと感じるようになります。表面がべたついているのに作業を終了できないなら、筆をAGLに少し浸してから作業を続けてください。ただし、時間がかかる広範囲の作業には適しません。

 

パレットの保護「皮はり」

色を混ぜようとしたときに絵具が乾いて皮はりになっていると実に腹立たしいものです。これを防ぐ簡単な方法は、未乾燥の絵具や色を混ぜ合わせる場所をAGLの薄い膜で覆うことです。この方法であれば外側の層の皮はりを防ぐことができ、少なくとも混ぜ合わせた絵具に少量のAGLが入ることになります。

 

必要に応じて水を加える

しばらく絵具を置いた後に水を加えるということは、水を追加するということではありません。蒸発によって失ったものを補充するだけのことです。菜園用霧吹き器はこの作業にうってつけです。

 

ファイン・アートワークにデコラティフフィニッシュブラシを使ってみる

平筆やブライトやフィルバートしか使ってはいけないなんて誰が言ったのでしょう?絵具をうまく混ぜ合わせたいけれどアナグマの毛のソフニング・ブラシを使ったことがないのであれば、使い方を勉強するチャンスです。性能の良いスティプリングとテクスチュア用の筆もたくさんあります。AGLを混ぜた絵具を適切な筆で塗れば、柔らかな混ざり具合と完壁なグラデーションを醸し出します。

ある部分の作業をいつやめるべきかを知っておくことは非常に大事です。広範囲に粘つきが出てきたら、その部分の作業を止めるか、時間をあけましょう。作業を続けなければならない場合は、ヘアードライアーを使って表面を暖めます。表面を暖め過ぎないように注意してください。絵具のべたつきがほとんどなくなるまで待ち、その後追加の作業を続けてください。

ゴールデンAGLは、乾きの遅いアクリル絵具の方がいいというアーティストにとっては重宝な絵具です。絵具を混ぜるのにたっぷり時間をかけている油絵画家なら特に、アクリル絵具への転向は難しいと感じるでしょう。一般に油絵画家がアクリル絵具へ切り替えようとするのは、普段とは違うプロジェクトに取り組んだり、溶剤に触れる機会を減らしたいからですが、結局は使い慣れた油絵具のようにはうまく使いこなせません。AGLを使えば、そんなアーティストたちもアクリル絵具を混ぜ合わせることができ、よい結果が得られます。

この素材が習作で、あるいは柔らかいグラデーションが必要な絵でどのような反応を示すか少し時間をかけて試してください。

詳しい情報は、下記の資料をご覧ください。アクリルの可能性を広げる自由で貴重な新しい手法を発見できるでしょう。

 

インフォメーション・シートをお読みください。

-アクリリックグレージングリキッド

-乾燥に関するテクニカルノート

(右写真:Golden Acrylic Glazing Liquidの乾燥テスト)

 

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