Golden History

GOLDEN Fluid Acrylics Offer Great Versatility

ゴールデンフルイドアクリリックスの多用性

(国内未発売の製品情報が含まれていますが、予めご了承ください)

ゴールデンヘビーボディアクリリックスはゴールデン社が1980年に初めて生産した絵具のラインです。非常になめらかで粘度の高いテクスチャーが得られるように配合されていますので、利用可能な最高品質の絵具と考えられていましたが、すべてのユーザーのニーズを満たすわけではありませんでした。ヘビーボディの絵具を水で薄めて使う画家もたくさんいました。筆からスムーズに流出して、ポアリング(滴らす)、パドリング(溜まりをつくる)、ドリッピング(飛沫を散らす)、ステイン(滲ませる)などの技法に使うことのできる絵具や水彩絵具の代わりになる絵具がほしかったのでしょう。アクリル絵具を使ってスプレーをしたいと考える画家もいました。その場合はヘビーボディアクリリックスに水かメディウムを加えるだけで十分にニーズを満たすことができました。しかし、水と混ぜるのが難しかったり、着色力や被覆力が失われたりするために、常に満足できるものになるとは限らなかったのです。このようなニーズをすべて考慮して作り始めたのがフルイドカラーズです。これは顔料をたっぷり使っているにもかかわらず粘度が低い絵具を求める画家の特別な要求に応えたものでした。最初は、モリス・ルイスがマグナ製品から得た彩度を達成したいと考える作家のために開発されました。最終的に、このカスタムフルイドの人気は、当社の標準製品ラインとして紹介されるまでになりました。

フルイドアクリリックスとヘビーボディアクリリックスの大きな違いは粘稠度です。粘度が低く顔料の量が多い絵具は時間がたてば粘度が上がる傾向があるため、フルイドアクリリックスの方が生産工程は難しくなります。ヘビーボディと同じ顔料を同じ量使って生産しますので、同じくらいの着色力が出ます。しかし、レベリングにすぐれていることから、実際にはヘビーボディよりも強いと考えている画家も多いのです。

フルイドアクリリックスは品揃えの点ではヘビーボディには及びませんが、広範な顔料の選択が可能です。重金属顔料の中でも、粘度の低いフルイドの中で安定性を保つことのできないものは含まれていません。容器の底に沈殿し、簡単にかき混ぜられないほど濃密に固まる傾向があるからです。

フルイドアクリリックスの特性
1つのラインのすべての色に均一の仕上がりと不透明度を与えるために、アクリル絵具にフィラーを加えることはよくあります。ヘビーボディアクリリックスと同様、ツヤ消し材や不透明化材はフルイドアクリリックスには配合されていません。従って、このラインの中でさまざまな光沢のバリエーションが生まれます。これについては手塗りのカラーチャートを見るとよくわかります。たとえば、ウルトラマリンブルーとバーントシェナーは完全なマット色ですが、キナクリドンゴールドとバットオレンジは光沢のある色です。それぞれの色の光沢と不透明度は使用した顔料の特性によって異なります。油彩絵具の場合、油分の少ない色はマット感が強く、油分の多い色は光沢が強い傾向にありますが、フルイドでも同様に、色はそれぞれ独自の外観を呈し、多くの画家はそれを「オーガニックルック」という言葉で評価しています。

純度を維持することにより、色は透明感のあるきれいな状態を保ちます。鮮やかなウォッシュやグレーズに使用する場合はなおさらです。

絵具に均一の光沢を要求する画家にはいくつかの選択肢があります。たとえば、比較的光沢の高い絵具をマットなゲルやメディウムと混ぜ、あるいはその逆の方法を取ることで相殺する方法もあります。粘度を低く保つことが重要であれば、フルイドマットメディウムやポリマーメディウムが最も適しています。これらは混ぜ合わせた色の光沢を調整しつつ、色の濃さも減じます。濃い色が重要であれば、作品を仕上げた後にマットやサテンやグロスのワニスを塗るのが最良の方法です。これにより画面全体の光沢が統一されます。

フルイドカラーは乾燥後もすぐれた柔軟性がありますので、天然系や他の合成系の樹脂に生じうる亀裂などの可能性を大きく減少させます。アクリル絵具には、湿度や温度が変化する中で持ち運ぶときや搬送中に生じるキャンバスの一定応力や張りに対する耐性があります。しかし、摂氏15℃または華氏59度でアクリルの硬化が始まり、凍結寸前の温度に達するとカチカチになって砕けやすくなることを認識しておくことが重要です。このような条件下で絵画を扱おうとする場合は、この点に特にご注意ください。きわめて慎重な注意が必要です。画面を巻いたり、広げたり、他の方法で取り扱う前に適温に戻すことが重要です。

フルイドアクリリックスを水で薄めると、粘度の高いヘビーボディアクリリックスよりもはるかに扱いやすくなります。この2つは粘度が近いため、物理的に相性が良く、あまり手間をかけずに均質の混合物を作ることができますので、泡が発生しにくく、むらのない混合色ができます。アクリル絵具に加える水が多くなるほど、後で塗布層が収縮しやすくなることを忘れないでください。また、水が多すぎるとアクリル絵具の結合力が低くなり、ツヤが低くなる傾向があります。一般的に、ステインやウォッシュ以外の画法に使用する場合、フルイドアクリリックスと水を1対1の割合で薄めることをお勧めします。特にステイン画法や水彩画にフルイドを使用する場合、膜の完全性はあまり重要ではありませんので、加える水の量に制限はありません。その代わり、作品の完全性は混ぜ合わせた絵具を吸収する支持体に依存します。

フルイドアクリリックスの塗布
フルイドは粘度が低いため、滑らかで均一に塗ることができます。粘度が高い絵具よりも筆に含ませやすく、一定の流れを保ち、筆運びはより長く均一になります。顔料が多い絵具を薄く塗ることができますが、このような塗り方は粘度の高い絵具を薄めて使ってもできません。

フルイドカラーは、ヘビーボディアクリリックス、エアブラシカラー、ハイロードカラー、イリデッセントカラー、ペーストペイント、マットアクリリックスなど、ゴールデンの他のすべてのラインの絵具と混ぜることができます。そのため画家は、きわめて粘度の高いものでも低いものでも、希望通りの粘度を作り出すことができ、色の強さも落ちません。色の強さが落ちても構わなければ、ゴールデンのメディウムやゲルと混ぜることも、絵具の粘度を変える有効な方法です。たとえば、重厚感のある筆痕が必要な場合、ソフトゲル、レギュラーゲル、ヘビーゲル、エクストラヘビーゲルと混ぜると希望の粘度にすることができます。

グレージング技法
透明度の高いグレーズを望む場合、最も適した着色剤はフルイドです。特に粘度が低い製品の場合、どのゲルやメディウムにも簡単に混ざります。この方法を使うと透明度を低下させる原因になる泡が混合物に取り込まれる可能性が低くなります。フルイドは顔料の量が多いため、透明な膜を作るには、光沢のあるゲルやグロスメディウムにフルイドを2%未満加えてください。

ポアリングなどの技法
フルイドは、ポアリング、パドリング、ドリッピング、ドラッギングなどの技法を使って独特の効果を出すのに適しています。滴りや飛沫の大きさや形をコントロールするには、速度、画面からの距離、容器のノズルの大きさを変えるとよいでしょう。フルイドとの混合物にクリアタールゲルを混ぜてドリッピングをすることもできますし、クモの巣のように細いものから比較的太いものまで、さまざまな太さで線を引くこともできます。ポアリング技法では塗膜が比較的厚くなるため、乾燥するとアクリル絵具の収縮(約25−40%)の影響を受けることがあります。このことと粘度の低さがあいまって、クレイズと呼ばれる画面の損傷が生じることがあるのです。クレイズは、裂けや破れやくぼみなどの形で現れますが、その原因は乾燥中の収縮に伴い塗布面に大きな力が加わることです。GAC-800にフルイドを5%未満加えると、ポアリングの厚い面にクレイズを生じにくくします。

水彩絵具の効果を得る
フルイドを水と混ぜるか、表面張力を下げるためにアクリリックフローリリースを混ぜた水と混ぜると、ステイン技法や水彩画に非常に有効です。紙だけでなく、天然のキャンバス地やジェッソを塗ったキャンバス地にも適しています。アブソーベントプライマーと混ぜても優れた効果を発揮します。ジェッソを塗った支持体にこれを塗ると、水彩画用紙の吸水性を作り出すことができます。

フルイドアクリリックスと水彩絵具の大きな違いは、フルイドの方が速く乾燥し、乾燥しても水に溶けないことです。この性質により色を取り除く技法には限界が生じますが、塗り重ねても背景のウォッシュがそのまま残ります。乾燥した絵具の上に塗ると、水彩絵具なら溶けて滲み出しますが、フルイドならはっきりしたシャープなエッジができます。フルイドで創作したステインは溶解しないため、心配なく他の水性材料を上に塗ったり、ワニスを塗ったりすることができます。このようにフルイドアクリリックスは水に溶けにくいため、絵具が乾燥しないうちに画材や筆を水で洗ってください。

フルイドアクリリックスのステインは一度塗るだけで鮮明な色が生まれますが、水彩絵具で同じ鮮明さを出すためには通常何度も塗り重ねなければなりません。フルイドは水彩絵具よりはるかに薄めてもほぼ同じ鮮明さを出すことができるため、経済的に有利かもしれません。 フルイドアクリリックスと水彩絵具を併用してさまざまな特徴を生かすこともできます。たとえば、上塗りやエッジを柔らかくするには水彩絵具を使い、はっきりしたエッジが必要な背景のステインや部分にはフルイドを使うという方法もあります。希釈していないフルイドを使って強固な画面を作る技法もあります。希釈していないフルイドを画面の上で乾燥させた後、水彩絵具かフルイドのステインを塗ると、まだフルイドを塗っていない部分のみに吸収されます。

水彩絵具の効果を出すためにフルイドアクリリックスを使うもうひとつの理由は、厚みのある鮮明な部分がほしいときに、フルイドなら、あまりあるいは全く水で薄めずに使って画面に定着させることができるからです。水彩絵具は、厚塗りしたときにもろく繊細な性質になるため、その技法には適していません。

スプレー塗布
フルイドを同量のエアブラシメディウムで希釈すると、通常、噴霧性にすぐれた混合物ができます。そのため、絵具はスプレーユニットからスムーズに噴き出し、チップの生成や目詰まりを最小限にとどめます。フルイドは水で薄めることもできますが、メディウムを使った場合のようにはスムーズに噴出しないと思われます。一般的に、フルイドは細かなエアブラシから工業用スプレーガンまで、さまざまなスプレーユニットを使って噴霧することができます。スプレーユニットのノズルの大きさは0.3mm以上であることが必要です。それより小さいノズルでも作動しますが、その場合はエアブラシメディウムでさらに薄めなければなりません。必要な気圧は通常30〜60 psi(2.1〜4.2kg/cm2、または2.0〜4.1Pa)です。

フルイドを商業イラスト用に使用する場合、エアブラシメディウムで薄めるとマスキングの問題が生じる可能性があります。大量に塗る場合、エアブラシメディウムは乾燥しにくいため、塗膜が何日も柔らかいまま保たれます。この間に絵具がマスキングに付着して、塗布層を持ち上げる問題が生じます。これを避けるには、フルイドを速乾性のエアブラシトランスペアレントエクステンダーで薄めるとよいでしょう。

繊維への塗布
フルイドとエアブラシメディウムを1対1で混ぜて作った絵具は、エアブラシを使って衣服に作品を描くのに最適です。スプレーに粘り気が出るためごく細かい描画も可能です。洗濯と乾燥を繰り返しても、それに耐えられるだけの耐性を備え、色落ちを最小限に抑えます。スプレーを何層も重ねても繊維は硬くならず、比較的柔らかい手触りが残ります。耐洗濯性を得るために絵具をヒートセットする必要がないことも便利です。1週間以上空気乾燥させるだけで十分です。それば無理なら、硬化を促進するために衣服を40分間、「強」に設定した乾燥機に入れておくと良いでしょう。

ハードエッジの作品
ハードエッジのテーピング技法にフルイドを使う場合、できるだけはっきりした線を描くための技術がいくつかあります。まず、テープの選択が重要な要因です。(絶縁テープなど)弾力性があるテープを使うと、完全な直線を引くことは難しくなります。タックの高いテープを使うと低い塗布層を持ち上げてしまう可能性があります。家庭塗料や自動車用塗料に使われる低いタックのマスキングテープはとても便利です。未使用のきれいな面に貼り付けてはがすことによりタックを減らすことは、テープの状態をよくするために有効かもしれません。

ハードエッジ技法を使うときに生じがちな問題は、絵具がテープの下でにじみ、先端がぎざぎざになることです。これを回避し、正真正銘のハードエッジを保つ方法は、絵具を塗る前にテープの上に透明のシーリング剤を塗ることです。テープを適所に置いた後、塗ろうとするエッジの上にゴールデンGAC-200を塗ります。スプレーする場合は、エアブラシトランスペアレントエクステンダーで薄めてください。GAC-200が乾燥した後、絵具を塗ります。可能な場合は必ず、絵具がまだ湿っている間にテープをはがしてください。

フルイドアクリリックスはさまざまな技法において効果を発揮する多様性の高い絵具です。ご使用に興味のある方は1-800-959-6543にお電話をいただければカラーチャートや他の情報を提供いたします。

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