Judith Linhare:花と動物  
 
 

スタジオでのJudith Linhares 2015年6月
2015 Amanda Marie Mason Photo Photography

 

2015年9月19日~12月11日 サム・アンド・アデル・ゴールデン・ギャラリー(SAGG)
 ニューヨーク州ニューベルリン

Judith Linharesは絵画作品においていくつかのテーマを探求しています。彼女は人物画で有名です。たいてい裸で手足を暖色と寒色のリボンで鮮やかに彩られた人物が、フライパンで卵を焼いていたり、キャンプファイヤーの周りでマシュマロを焼いていたり、夜空を見つめ物憂げに横たわり休息していたりします。

彼女は人物だけでなく、花と動物も描いています。「花と動物」と題されたSAGGでの展覧会では、花と動物を描いた作品に絞って展示しています。彼女の作品を最大限に展示するには当然のことながら人物画も展示する必要があるでしょう。親切にも彼女は、当社の祝賀的事情を慮り、人物画抜きで「花と動物」を構成することを許可してくれました。

ニューヨーク州ニューベルリンのSAGGを訪れる人はギャラリースペースを見て、チェルシー地区のギャラリーが羨むような磨き抜かれたコンクリートの床や、ロンドンのギャラリーを思わせる壁や、ベルリンのクンストハレのような照明に気づくと同時に、ニューヨーク州の中心から外れたのどかで緑豊かな環境にも気づくでしょう。野生動物と植物に溢れ、どの作品にも生命力が漲っています。自然環境と自然が秘める豊かな力から与えられたインスピレーションが「花と動物」の根底に流れています。

彼女は絵のテーマに関し、神話、おとぎ話、カール・ユングとクロード・レヴィ・ストロースの著書、昔話にある「…動物や昆虫との契約と交渉…」という考え方に長い間興味を持ってきました。(1) 「動物を用いるのは物語を伝えるためです。それはおとぎ話や神話やさまざまな宗教で起こっていることなのです」(2) 「…おとぎ話は神話に似ていますが、状況設定がとても身近です。たとえば、お粥がいつも吹き零れているとか。そこが好きなのです…」(3)

彼女のテーマ的興味における共通の要因は出生の感覚です。「…私は根っからカリフォルニア人のような気がしますし、人と自然との関係についてこの種の神話の継承者であるような気がします…」(4)

  Judith Linhares 木 1996年 42″ x 51″
Judith Linhares, 1996


  Judith Linhares 貨幣に乗って 1990年 36″ x 48″
Judith Linhares, 1990


このカリフォルニア人は、60年代、当時の反体制文化が醸成される真っ只中、ロサンゼルスからサンフランシスコの美術学校に進みました。彼女の交友と影響はロバート・クラム周辺から、彼女が色の概念を吸収した作風で知られる画家のデイヴィッド・パークやリチャード・ディーベンコーンに広がりました。1978年、彼女はマルシア・タッカーがニューヨークのニューミュージアムで監督した「バッド・ペインティング」ショーに参加しました。ショーを訪れた彼女は、ニューヨークでアーティストになれると判断し、1980年、ニューヨークに移り住みました。

作品に描かれた動物は、長方形の画面の枠内いっぱいに描かれていることが多く、漠然とした不安や邪悪な意図が潜む可能性を感じさせます。子供の頃、幼稚園から歩いて帰宅する時、茂みから突然飛び出してきた猿を見て驚き、それが何かわからず、よその子?と思ったそうです。「生涯を通じて経験したことを本当によく注意して思い出します。これらの瞬間は‐突然の知識を得た瞬間と私は呼んでいるのですが、…ある種の神秘の瞬間です…」(5)

Linharesはポストモダニズムの世界で花を描く「反抗的スタンス」に満足しています。「…普段は常に花の絵を進行させつつ、複数の作品を同時に制作しています。そうすることで基本的に「語らない」機会が得られるからです。これは私にとって都合のいい方法です。外部の素材を使っては描きたくないことがわかったからです‐描ける花すべての構造をある意味で記憶しています。さほど難しいことではありません。身の回りに花を置いています。花を見ることでイメージが湧くことがわかります。その花を知り、制作し、発明しながらともに進むことができるからです。おかげで自発的にきちんとプロセスを進めることができます」(6)

花がLinhares自身の感情を表現するとすれば、次に彼女の花の絵が私たちの感情を引き出し、官能的な絵が本物の花の香りに取って代わるのです。

人物や動物や花の絵の熱心な愛好者が少ない時代に、彼女は心の趣くままに描いています。絵の中の光、その源、対象に対する働きかけ、隣り合う影との融和を個々に捉えて楽しんでいるのは明らかです。外の世界が中に入り、自身の生命を持つのです。

彼女は人生と芸術についてこのように考えています。「これは常に私にとって挑戦だったと思います。人生はとても面白い。人生に背を向け、芸術に徹することはとても難しいです。今でもそれを挑戦だと思っています。人は皆たくさんの決断をしなければなりません」(7)

巻末注:
(1、3-7)バーモント・スタジオ・センター(2014年3月21日)。「バーモント・スタジオ・センターにおけるアーティストJudith Linharesの講演」[YouTubeビデオファイル]。下記サイトより抜粋:https://www.youtube.com/watch?v=3iA57eAM8Vw.
(2) Judith Linharesとの会話 2015年7月2日
展示会の詳細については下記サイトをご参照ください。
thesagg.org

Golden Artist Colors社


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