陰影の中で

アンバーと呼ばれるナチュラルブラウンアース(左から右):ウィリアムズバーグのバーントアンバー、イタリアンローアンバー、フレンチバーントアンバー、ブランアンバー、ターキーアンバー


昔から、アンバーと呼ばれる最も暗い色調を持つ天然土成顔料は画家のパレットに常にありました。白と混ぜると一連のニュートラルな色ができる緑がかったローアンバーから、タンや黄褐色のベージュといった薄い色合いを出す温かみのある暗いチョコレート色のバーントアンバーまで、さまざまなトーンがあります。16世紀末より前の西洋画に関する文献にはめったに記載されていませんが、アンバーがバロック時代の中心的位置を占めていたことは確かで、カラバッジオ、ルーベンス、レンブラント、ファン・ダイクの絵において重要な役割を果たしていました。深いダークと豊かなブラウンの発現により、ほとんどの色相環の無彩色の中心近くに集まっています。上に位置する鮮やかな赤やオレンジと同系色で、抑えた色合いになっています。長い歴史を持つ一方、今でも水性、油、アクリル、パステルといったあらゆるメディウムに不可欠とみなされています。

アンバーという名称は影の大地を意味するイタリア語(Terre d'Ombra)に由来します。ウンブリアというイタリアの山岳地域に由来すると言われることも多いのですが、自然の濃く深い色合いを考えると、影を表すイタリア語のオンブラに由来する可能性が高いと思われます。

組成的には酸化鉄、水酸化鉄、マンガンを含み、特にマンガンはオーカーやシエンナなどの他の酸化鉄とは異なるアンバーの特徴です。アンバーはマンガンと鉄の含有比率がさまざまであるため、色と性質に微妙な違いが発生し、アーティストはそこに価値を認め、探し求めるのです。顕微鏡レベルでは2種類のアンバーは似ているかもしれませんが、加熱すなわち焼成の工程において、ローアンバーは酸素が存在する非常に高温のもとで水酸化鉄を酸化鉄に変化させます(酸化鉄(III))。その結果、非常に温かみのある赤茶が生まれます。アンバーは光、湿気、アルカリ、希酸に対しすぐれた安定性を持ち、耐久性が高いため、屋外使用に適しています。油絵においては、ローアンバーに含まれるマンガンに乾燥(シッカチーフ)効果があるため、ローアンバーは有効な乾燥剤になります。

他の天然土と同様、アンバーは、さまざまな地域と場所が提供する微妙な違いを見極めようとするアーティストの情熱を刺激します。当社の絵具製品には、イタリア、フランス、キプロス、米国を原産国とする8種類のアンバーがあります。最も貴重なアンバーの中には、キプロスのトロードス山を起源とするものもあります。トロードス山には、鉄とマンガンを含む火山の枕状溶岩の風化によって堆積物が形成されています。キプロスアンバーには最大12%という最高水準のマンガンが含まれていますが、他の地域のアンバーに含まれるマンガンはそれより少ない5-11%です。

巻末注
1. アンバーについて初めて言及したのは16世紀のイタリアの論文でした。当時、入手可能な他の茶色は透明で(アスファルトやミイラに由来する)有機物であったため、この論文は珍しいものでした。17世紀初めには、使用前に焼成したアンバー、すなわちバーントアンバーに関する記述がなされています。アンバーという名称はまだありませんでしたが、ネフェルティティの墓、ポンペイ、6世紀の韓国の墓、日本の墓、中世イングランドの壁画で酸化鉄とマンガンの顔料が発見されています。

Golden Artist Colors社


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