絵画用支持体としてのプラスチックの価値

Mark Golden

プラスチックが消費材料として開発されて以来、多くの画家がプラスチックを作品の支持体として使用してきました。当初、プラスチックは1862年ロンドン万博で特別名誉賞を受けたという触れ込みで高く評価されていました。20世紀初めにはNaum GaboやAntoine Pevsnerといったアーティストが作品の構造にニトロセルロースプラスチックを使用しました。1920年代になるとアールデコの流行に取り入れるため、また1920年代から1950年代にかけてはハイテク装置に使用するため、ベークライト(フェノールとホルムアルデヒド由来のプラスチック)の需要が高まりました。1930年代には科学と生産方法の知識が発達し、特に1940年代には、戦争遂行に肩入れして一役買おうとしたエネルギー産業により拍車をかけられ、それまでは研究段階でしかなかった様々な新しいプラスチックが瞬く間に大量生産可能になりました。

この新規で、軽量で、半透明で、成型可能な材料に沸いたのも束の間、こうした初期のプラスチックの一部は分解後ベタベタした塊になったり、崩壊してゴミになったりしたため、やがて厄介者扱いされることになりました。20世紀中頃から末にかけてのプラスチックの歴史は、開封後すぐ壊れてしまいそうな大量の安物の玩具や消費財で彩られ、プラスチックは魅力を失い始めました。最後に、プラスチック生産で消費される再利用不能な資源やゴミ埋立地に溢れるプラスチック(言うまでもなく安物のポリエステル製スーツなど)に対する懸念の高まりから、この価値ある材料が苦戦を強いられる状況は続いています。

現在ではさらに多種多様なプラスチック代用品が市場にあふれており、プラスチックが芸術家にとって価値ある資源であると言われた当初の期待に見事に応えているものもあります。あらゆる表面を潜在的な絵画用支持体として見ることは非常に魅力的です。絵画用支持体としてのプラスチックの使用を検証した結果、当社のケミカルエンジニアであり新製品開発室長でもあるVaikunt Raghavan博士が、このJust Paint 31の次の記事「プラスチックにアクリル絵の具を塗る」 においてプラスチック面への接着を達成する方法を説明しています。私たちも、画家が接するさまざまなプラスチックを仕訳し、作品にとってのメリットとデメリットを評価しようと思っています。

Golden Artist Colors社


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