イーゼル画の修復

Joyce Hill StonerとRebecca Rushfieldの共同編集

制作に7年の歳月をかけ、79名の国際的専門家によるエッセイを掲載した「イーゼル画の修復」は現在、Taylor and Francis、amazon.com、barnesandnoble.comなどからご購入いただけます。ゲティ美術館の元館長で現在はヒューストン美術館修復部長を務めるDavid Bomfordは、前書きに「(絵画修復の)分野に関する歴史と哲学と理論と実務全般を理路整然とまとめたものを見るのは初めてです」と記しています。Bomford氏自身も、修復家が行う最も困難な作業である絵画洗浄の歴史と哲学に関する重要な章を執筆しています。

ほぼ900ページに及ぶこの本には、木材やキャンバスの支持体からワニスに至るまで、さまざまな西洋のイーゼル画材の完全な歴史や、絵画の分析に使用する技術(X線撮影、赤外線反射撮影、光学顕微鏡法、断面解析など)や、コンソリデーション、亀裂の修繕、裏張り、洗浄、レタッチ、ワニスなどの処理方法/手法や、絵画の輸送、保存、照明、額入れに関する改善された方法について記載されています。特別編では、展示物の持続可能な修復管理、緊急の備えと回復、虫の被害、スタジオにおける健康と安全の問題も取り扱っています。

プロの画家は、画材に関する現代の優れたバイブルとされる「画家便覧(Painter's Handbook)」の著者、Mark Gottsegenの「画家に勧める画材(Recommending Materials to Artists)」を楽しく読まれるでしょう。修復家たちは、作品の材料と精神的価値が将来においてより繊細に保存できるよう、国際的な活動を通じて現役画家との対話を確立してきました。「現役画家から情報を収集し、保存する」というセクションには現代美術保存のための国際ネットワーク(INCCA or
http://www.incca.org/)について記載されています。近代絵画の組成と寿命に関する尊敬すべき専門家であるゲティ保存修復研究所のTom Learner博士は、1940年以降に現れた新たな絵画やアクリルエマルジョン絵画の洗浄に関する重要事項について述べています。氏は、新たな絵具の結合素材が、Jackson Pollock、Morris Louis、Mark Rothko、Bridget Rileなどが成し遂げた成果の実現にどれほど貢献したかを説明しています。Mark Goldenは、アクリル絵画へのワニスの塗布に関するエッセイを寄稿しました。

Joyce Hill Stoner博士は、共同編集者であるRebecca Rushfieldの100ページに及ぶ包括的な文献目録編集という偉業を称賛しています。博士自身は35年以上もの間、絵画の修復を教え、現役の画家と共に仕事をしてきました。彼女は、画家の取材、昔のジェッソや下塗り剤や顔料、古典派の巨匠が使った絵具の劣化原因、最新の高度な調査方法と機器分析、絵画の洗浄とレタッチの新たな手法と材料などに関する重要な研究を行った主要専門家を探し出し、採用しました。

これは、広範な最新情報を提供し、さらなる発展と検討の基礎を形成できる真の包括的な書籍です。今では、修復を学ぶ学生の指導に不可欠な資料であり、関心を持つ幅広い世代のアーティスト、ディーラー、美術や美術史を学ぶ学生、学芸員、館長、収集家、現役の絵画修復家にとって貴重な情報と指針になることでしょう。


Mark Golden

Golden Artist Colors社


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