補足:写真家のためのヒントと出発点

マイケル・タウンゼンド

ゴールデン社のデジタルグラウンド、ゲルメディウム、アーカイバルスプレーワニスにより、写真家にも使いやすいオプションが生まれ、さらに最終画像を手でコントロールする新たな方法の基礎が生まれつつあります。

多くの写真家はこれまで、追加段階として暗室を使うことで画像を操作していました。光、フィルター、化学反応、下地、タイミングなど、さまざまな要素の働きにより、アーティストは微妙な効果と劇的な効果を進化させてきたのです。現代のデジタル環境において、このコントロール方法の多くはソフトウェアやデジタルプリンターのコントロールに取って代わられました。しかし、デジタルグランウドを使うことでアーティストは再びこの媒体を物理的にコントロールすることができるようになります。デジタルグラウンドを塗布し、これに適した独自の面を作る技法については当社ウェブサイトmixmoremedia.comをご覧ください。お使いのプリンターにこうした独自の支持体を通過させるためのいわゆる「ハウツー」だけでなく、独自のアクリル印刷面と描画面を作る方法がわかるビデオもあります。

絵具と写真の融合
デジタルグラウンドを塗布して受容性の高い面を作ることで、写真家は画像を転写しようとする表面を完全にコントロールすることができます。通常、デジタルグラウンドを支持体全体に塗布しますが、特定の部分にだけに塗ることもできます。手すき水彩画用紙のような雰囲気を作ったり、印刷画像に筆の痕や模様を創りだすなど、いくつかの選択肢が生まれます。未塗布部分は、印刷後の仕上がりがにじんだようになるでしょう。さまざまなアプリケーションツールと技法を使うことにより、さまざまな画面と写真の質感を作ることができます。

修正画像
非多孔質面用デジタルグラウンドを使うことで、吸湿性の低い面でもきわめて簡単に印刷後の画像修正ができるようになります。光沢のあるアクリルゲルスキン(ゲルメディウムの皮膜)や、デジタルインクの乾燥にかなり時間がかかるアルミ箔などの支持体にデジタルグラウンド塗布した後、筆で水を塗ったり、水を含ませた綿で画像を擦ったりすれば、画像は再び溶解し、微妙に移動したり、ところどころ消えたり、にじんで周囲に広がったりするでしょう。ポラロイド写真を撮る写真家ならこの種の扱いの可能性に慣れ親しんでいるでしょう。しかし、吸湿性の高い紙の場合、特に耐水性の顔料インクを使った時はインクを動かすことがかなり難しいこともありますのでご注意ください。このような画像は、この資料やオンラインのJust Paint既刊号(No.20)に記載する他の技法の多くと同様、手を加えた繊細な画像をシールして作品の表面に描画し続けることができるようにするために、アーカイバルスプレーワニスで保護する必要があります。ゲル上の透明な画像は、印刷面をシールし上から加筆することもできますし、印刷もシールもされていない裏面に描画することも可能で、その場合、ガラスの裏面に描画した時のようになります。実際、こうした透明な面の両面に画像を転写することで、透明な面を何層も重ね、多段ケーキのような複雑な画像を作り出すこともできます。複数の透明層を使うと、画像は色分解され、印刷され、組み合わされることで画像が再生されます。

直接着色
このサンプルでは、チーズクロス(粗目の綿布)とコースモデリングペーストのゲルスキンに白黒画像を印刷し、キャンバスのような画像面を作ります。印刷後、画像は下書きとしての役割を果たし、その後(フルイドアクリリックスとアクリリックグレージングリキッドでできた)グレーズを塗って着色します。下地の透明性が必要な場合、デジタルグラウンドクリアー(グロス)をお使いください。ただし、きわめて水に敏感なので、絵具やメディウムが印刷に悪影響を及ぼすことを避けるためにMSAワニスやアーカイバルワニスのコーティングが必要になることを理解してください。

写真家がデジタルグラウンドを試し、画家のあらゆるツールとの組み合わせを模索し始めたことで、全く新しい発見分野が開かれたのは明らかであり、かつて神聖視されていた境界はやがて打ち破られるでしょう。何が生まれるのか、それを見ることができると思うとわくわくします。


Golden Artist Colors社


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