アクリルの幅を拡げる
オープン・アクリリックスの開発

By Jim Hayes

 


長年にわたるお客様や仕入先との協力により、私たちの苦労の果実として真に革新的な新しい絵具システム、ゴールデン・オープンアクリリックスを送り出したことを、当社の研究開発チームは誇りに思います。ゴールデン・オープンは、水の蒸発を如何に遅くするか、より適切にいえば、乾燥のコントロールを手中にしたいというアーティストの要望にどのように応えるかという長年にわたる研究者のあり方、考え、営み、連携の頂点です。私たちは、当社が今までに市場に提供したほぼ全ての製品を含むアクリル画材の速乾性が、全く新しい制作手段をアーティストに与えたことを認識しています。それは、速乾性が劇的に有利となる場面で多くのテクニックを生み出しました。一方で私たちは、伝統的な油絵具が乾燥性において対極の価値を有することを認めています。

しかし溶剤の使用やあまりに遅い乾燥性、作品を長年にわたって保たせるために守るべき多くの規則は、多くの画家に負担を強います。オープンの導入により、そのギャップを埋め両者の利点を活用できます。オープン遅い乾燥性は、絵具からの水と溶剤の乾燥を遅らせることから始まり、薄く塗っても一時間でも未乾燥を保ちます(温度、湿度に依存)。作業できる時間が延びるだけでなく、再度作業に戻れる時間もできます。つまり、乾燥の初期段階では塗膜は水に敏感な状態を保つため、乾燥していない時と同じように水で作業を再開できます。時間が経つとともにこの水に敏感な作業特性は消えて、強く耐久性のある塗膜になります。オープンの作業特性は、単純にリターダーや従来のアクリルメディウム類を混ぜるだけでは真似出来ないものです。

オープンは、一般にアクリル絵具の特徴といわれる速乾性が利点とならない多くの画家にアピールするでしょう。肖像画や屋外での描画など、色を混ぜたりぼかしたりするための時間が重要な場合、オープンの作業性は素晴らしいでしょう。オープンはまた様々な印刷技法、特にモノプリントやシルクスクリーンなど、印刷器具上での絵具の乾燥が重要なファクターとなる技法に対する可能性があります。ぼかしや細密描写、混合などを活用したいあらゆる画家は、オープンが理想的であることを見出すでしょう。

オープンの遅い乾燥性は、ユニークなゆったりした作業性だけでなく、パレットでも湿った状態を保つ優れた性質があります。たっぷりと落としたオープンは、一時間どころか数日の間、湿った状態を保ちます。パレット上での混色にストレスを感じることは少なくなります。それは、考えどおりの色彩を生み出す時間が取れるだけでなく、混ぜた絵具が乾燥してしまうことを恐れずに使えるからです。それによって、絵具を無駄にすることもずっと少なくなります。一日の終わりにパレットに残った絵具は、簡単に元に戻して容器に保管できます。それはパレット上でこびりついて無駄になることがないからです。さらに描画作業の後半で筆を洗っても、高価な天然毛の筆をアクリル絵具が固めてしまう恐れもなくなります。

油絵具は作業できる時間がとても長いのですが、オープンにはバランスと簡便さがあります。油絵具には多くの技法上の制限があります。ファット・オーバー・リーン(油分の多い絵具の上に油分の少ない絵具を乗せない)、ワニスをかけるまでには6ヶ月乾燥させること、支持体に酸が与える影響の問題などです。オープンでは一般にルールは一つだけ、リラックスです。アクリル画家にはこれはおかしく響くでしょうが、作業時間を長く取れることは、描画のプロセスからストレスを取り去り、最終結果に集中できるようになるでしょう。

水性絵具であるゴールデン・オープンは、周囲の環境条件に左右されます(温度、湿度、空気の流れ)。これらの条件は水分の蒸発速度に大きく影響します。とは言え、風通しがよく暖かで乾燥した条件でさえ、オープンの利点は目に見えて感じられるでしょう。支持体の吸収性はもう一つの要因ですが、非常に吸収性のある面であってもオープンの持つ作業時間の長さが分かるでしょう。湿度が高い条件で、吸収のないパレットや支持体の上ならば、絵具の湿った状態、つまりオープンタイムは大幅に延びるでしょう。

常に心に留めておくガイドラインは恐らく、周囲環境や支持体はもちろんですが、絵具を比較的薄く塗ることです。オープンの利点は乾燥の遅さですが、それは従来のアクリルではすぐに乾いてしまうような、薄く塗ったときに、はっきり差がでます。厚く盛り上げた場合は、ほとんどのアクリルでも乾燥は比較的遅く、手を加える時間の余裕があります。逆にオープンをそのように厚く塗った場合は、乾燥の遅さは致命的で、全く固まらず粘着した状態がいつまでも続きます。従って、オープンは薄く塗ること、厚塗りの場合は従来のアクリルを使うことです。しかし結局のところ、オープンを使う際にその緩やかな性質と作業性を生かす上で、厚塗りがいつ乾くのかを強調したり悩んでも無駄かもしれません。描画用絵具を作り続けた私の20年の歴史の中で、私たちがどのように絵具を使うかを説明するや否や、アーティストたちが逆のことをしだすのは避けられないからです。ですから、これだけお知らせしましょう、厚塗りでも絵具は乾きますが、条件次第であり、乾き始めるまで(そう、始めるだけで)数ヶ月かかります。また、厚く塗ると他の問題が起こり、画面に特異なストレスが生じると自信を持っていえます。しかしまた、どこかの誰かが、それさえも美的表現に変える方法を発見するだろうと思います。

開発の歴史

この大いなる発見が、夢の中でひらめき、目を覚ましてノートに書き取り、シャワーを浴びながら考えたなどと自慢できればいいのですが、実際には、何年も何年も、アーティストたちが必要とする材料と使い方を提供しているなかで、何とか作業が出来る時間を延ばそうと(訳注:乾燥を遅くすることで、画面上で手を加えられる時間を延ばすこと)努力してきた結果なのです。私たちは、何百もの斬新な原材料、数千もの配合の試験を行ってやっと、目立った欠点もなしに十分な作業時間を確保できる道筋を見出すことが出来たのです。

望ましい長さの作業時間と品質を創り出すための最たる道の一つは溶解性のものを使うことです。この方法によれば、筆についている未乾燥の絵具は、画面上の乾いた、あるいは乾きかけた絵具に常に食いつく、つまり再溶解させ、絵具はそもそも定着することがなかったかのように混ぜ合わすことが出来ます。問題の一つは、当り前ですが、未乾燥の絵具は乾燥した塗膜を溶かすので、望まない場合でも混ざってしまいます。もう一つ気になることは、もし溶剤がついた場合には作品が著しい影響を受けるので、保管や輸送、展示において作品の保護をどうするかです。水彩画がこの再溶解性の一例ですが、ガラスカバーで保護することは出来ればしたくないことです。

もう一つの作業時間を延ばす可能性のある手段は、油の利用です。結局のところ、油絵具は乾燥の遅さで知られており、混ぜ合わせられる時間が長いのです。油絵具は多くの問題点があります-乾燥が遅すぎること、いくつかの技術的な制約があること、よく知られているひび割れや黄変の懸念。油絵具の乾燥は遅すぎると考える人もいることを考えれば、次の候補はアルキド樹脂でしょう。これは乾燥が速くなるように変性した油です。私たちは水溶性タイプを含む多くのアルキド樹脂を試験しましたが、現実は、乾燥時間と作業可能時間の間には大きな違いがある、ということでした。アルキドは比較的ゆっくり乾燥しますが、オープンタイム、つまり作業が可能な時間は長くはありません。なせなら、すぐに粘着してきて作業が出来なくなり、ベトベトするだけだからです。完全硬化時間(十分に乾いて重ね塗りが出来る時間)が非常に長いというのもアルキドのもう一つの問題です。乾燥剤(訳注:ドライヤーあるいはシッカチーフと呼ばれる添加剤)で改善されますが、そうすれば作業時間も短くなります。もう一つの可能性は、保湿剤の研究です。

保湿剤とは吸湿性の化学物質であり、空気中の湿気を吸収します。このような物質は、品物を乾燥させる場合や、食品の乾燥防止用途、化粧品のモイスチャライザー(=保湿剤)などに使われます。保湿剤は絵具の配合では乾燥遅延剤とも呼ばれ、水の蒸発を遅らせると同時にそれ自身もゆっくり蒸発することで、絵具の乾燥過程を遅らせます。グリセリンやソルビトールがよく使われる保湿剤です。しかしこれらは本質的に蒸発ないため乾燥後も絵具に残ってしまい、粘着性や耐水性低下などの望ましくない性質を与えるので、非常によいとはいえません。作業時間よりも粘着性が出てしまいます。

グリコール類は、保湿剤あるいは乾燥遅延剤として使われるもう一つの添加剤グループで、エチレングリコール(効果的だが毒性がある)、プロピレングリコール、ポリグリコール類などがあります。これらはいずれも絵具の乾燥を遅らせる効果があり、作業時間を延ばしますが、やはり絵具塗膜にずっと残ったり、十分な塗膜の硬化を大幅に遅らせたりします。

オープンタイムの独自の課題

乾燥を遅らせ作業時間を長くするというゴールは賞賛に値しますが、絵具の硬化性に対する懸念なしには実現しないということは明らかでしょう。乾燥を遅らせてゆっくり硬化するようにした水性樹脂には、耐水性がいくらか低下するという懸念が当然でしょう。いずれにしろ、乾燥を遅らせるには水の蒸発を遅らせなければなりません。また、硬化過程を遅くすると最終的な塗膜のいくつかの重要な性質が達成されるのも遅くなります。つまり耐水性や耐溶剤性のことです。

乾燥遅延剤つまり保湿剤を使うことによるもう一つの懸念は、塗膜が軟らかくなることで、その状態が長く続き、時にはずっと続くことです。これらの原材料はまた水可塑化作用を引き起こし、そのために水分の蒸発が妨げられたり湿気を吸収したりして、さらに塗膜は軟らかくなります。

バインダーつまり合成樹脂は、塗膜の形成そして乾燥の重要な担い手であることから、乾燥を遅くするにはバインダーの一部を取り除くという考えは理にかなっているように見えます。それは確かに作業時間を長くしますが、一般に塗膜の強度や耐水性、耐薬品性を犠牲にするリスクが伴います。

いうまでもなく、こうした限界を克服し作業時間を長くするという最終的なゴールは、やりがいのあるものです。広範な試験や非常に多くの試行の後、そして恐らくはいくらかの幸運によってやっと一連の発見を実現し、望んでいた結果を生み出したのです。もう一つの要因は、完璧な解決を作り出さなくとも、その成果は非常に特別なものであるという認識を最終的には受け入れたということです。

配合のバランス

この革新的絵具の最も重要な成分は、もちろん新規のバインダーです。私たちはアクリルからアルキド、ウレタン、ビニルにいたる多くの化学物質を検証しました。最終的には、耐久性、安全性、耐紫外線性、低着色性、耐水性、耐溶剤性、耐アルカリ性の立証されている100%アクリルが、求められている作業性能を最大限にするものであることを見出しました。

通常のアクリルバインダーにおいて、長いオープンタイムを維持するために高濃度の保湿剤を配合すると、耐水性が大きく低下します。オープンアクリリックスには、優れた耐水性と堅固な塗膜および安定性という特別に性能バランスをとった新規のアクリルバインダーが必要でした。保存性や、バインダーと顔料の混和性をよくする界面活性剤の組み合わせを注意深くバランスさせて安定化することで、その量を最少限にすることができ、それによって耐水性が改善されます。バインダーのもう一つの重要な性質は、合成樹脂の構造を塗膜形成に最適化したことにより、堅固で耐水性がよくなったことです。最終的に樹脂は最適にバランスのとれたモノマーによる高分子量の重合体となり、良好な塗膜形成、柔軟性を確保するとともに硬さも出来る限り維持したものになりました。

最良の結果を得るには、比較的薄く、10円硬貨(1.5mm)一枚以下に塗ることです。ワニスがけは30日以上経ってからにしてください。厚塗りすると極端に乾燥が遅く(数ヶ月)なります。

作業時間を最大限にするための、次に重要な絵具の原材料グループは保湿剤、つまり乾燥遅延剤です。前述のように、それには多くの考慮すべき点があります。絵具配合では材料の毒性は常に重要です。歴史的に絵具や塗料に使われながら後に毒性が判明した乾燥遅延剤であるエチレングリコールやヂエチレングリコールなどは排除されました。もう一つ重要なことはその蒸発速度です。作業時間の最大化に理想的な材料とは出来る限りゆっくり蒸発する材料であると考えられますが、「ほどよい」時間内に塗膜から蒸発する必要もあります。その材料が塗膜に長く残りすぎると、バインダーのガラス転移点が下がると同時に水可塑化作用も起こして塗膜は柔らかくなり、結果的に非常に粘着のある塗膜となります。どの保湿剤をどのくらいの量使うかという最終的な選択は、このユニークで新しい絵具の配合におけるバランスを達成する上で最も挑戦的な作業の一つでした。最終的には、非常に安全な材料が希望する長さの作業時間を与えると同時に「ほどよい」時間枠内(状況によるが一般的に数週間以内)で蒸発する結果となりました。


オープンアクリリックスの乾燥し初期の水分が失われはじめると、絵具はジェル状からより固く粘性のある状態になり、より鮮明なラインやテクスチャーが出ます。
 


左:オープンアクリリックス、右:従来のゴールデンアクリリックス

従来のアクリル絵具は乾燥の速さが利点です。ゴールデンアクリリックス(ヘビーボディータイプ)は5分で乾燥し始め、30分後にはほぼ定着します。オープンアクリリックスは60分後も未乾燥です(数時間でも作業可能です)。

厚さ:0.3mm
湿度:40%
温度:30.7度C


左:吸収性のある紙、右:吸収性のないコーティング紙

吸収性のない下地はオープンアクリリックスの作業時間を劇的に長くします。コーティングされた試験紙(右側)では、絵具がしみ込んでいないので、こすったところの下地が透けてみえています。オープンアクリリックスは薄く塗っても何時間も作業できます。

厚さ:0.15mm
湿度:52%
温度:25.5度C

湿度が上がると、温度が上がってもオープンタイム(乾燥までの時間)は長くなる。
塗り厚さが厚くなるとオープンタイムも長くなる。

0.15mmの厚さは、平均的な筆塗りに相当する。

湿度:52%
温度:25.5度C

基本的に、バインダーはどれも絵具塗膜中に含有できる顔料の量に限度があります。強固で柔軟な塗膜を作るには、全ての顔料表面をバインダーが覆い、顔料の間にある全ての空隙を埋めて連続した相を作らなければなりません。これは、顔料/バインダーの臨界比率であり、配合に織り込まなければなりません。顔料がこの臨界比率以上になってバインダーが不十分になると、もろくてツヤのない塗膜になります。長い作業時間が必要であるという成り行きから乾燥遅延剤(保湿剤)の濃度はかなり高くなるので、バインダーの濃度は当然、薄まると予想できます。そうすると絵具中に含有できる顔料の量も低下することになります。すると、この新規な絵具の開発に求められる理想的なバインダーに新たな要求事項が加わることになります。通常のバインダーよりも高濃度の顔料を含有でき、濃度低下の影響を最小限に出来るバインダーです。全般として私たちは成功したと言えるでしょう。全体的は従来のゴールデンアクリリックスよりも顔料濃度は低いのですが、顔料/バインダーの比率としてはむしろ高いものが大半です。顔料濃度を最大限にしようと努力し従来品よりも高いものに出来ればと考えたのですが、オープンタイムを長くした比類ない性能の新しい絵具ではそれを犠牲にすることが必要だと悟ったのです。いずれにしろ、著しく作業時間を長くするというこの戦略的な性能を持たないような絵具ならば単なる新製品にしか過ぎず、興奮するほどのものではないでしょう。

素晴らしい幸運

我々が求めていた性能を作り上げる配合試験は成功裏に進みました。作業時間の伸長はまさに比類なく、この絵具はその性能をとっても独自のカテゴリーに分類でき、速乾性の標準的なアクリル絵具と常に尊重される油絵具の間にあるギャップを埋めるものです。設計によるか、あるいは幸運によるかは別として、この絵具の技術的な要求事項から生じるいくつかの使用上の注意を述べておかなければなりません。こうした性質はこの絵具を、単に乾燥が遅い絵具から水性絵具の使用において新たな可能性を持つ一つのシステムにしています。このシステムにはいくつかの単純なツールとルールがあり、それを理解すれば(化学知識は不要です!)アーティストは新たな表現の可能性を切り開くでしょう。

用語説明
WET(ウェット)
:絵具がチューブから出したときの状態を保っており、目に見えての粘度上昇や筆の引っ張りがない状態。

THICKENING(増粘):絵具に粘りが出るが、描画作業には支障がない状態。

REWORKABLE(作業可能):この段階では、オープン製品により、作業可能な状態に戻すことができる。


まずこの絵具システムは水性です。水はもちろん、重要な添加剤の一つです。水はオープンアクリリックスを希釈し伸ばすことができるだけでなく、さらに混合するための作業時間を延ばすことができる大切な役割を果たします。塗膜が初期乾燥過程にあるとき、つまり定着しようとしているとき、水により塗膜をもう一度湿らせる、つまりオープンすることができます。これは、さらに加筆したり混合したりする作業が可能な状態に絵具を戻し、絵具の薄い塗膜を一時間あるいはそれ以上にわたってこねまわすことができるという、真にユニークな性質です。通常の乾燥が速いアクリル絵具はそのような性能は持っておらず、湿らせて元に戻せるのは数分程度で、それも乾燥が始まれば塗膜が裂けたり湿りにくくなったりするのです。
もう一つの素晴らしい性能あるいは特性は「スイートスポット」と呼ぶものです。それは絵具が乾くにつれて幾分かの水が蒸発すると、粘度が高くなり粘りついて油絵具のようになることです。オープン製品は、使い始めは筆運びがどちらかというとヌルヌルして脂っぽい感触ですが、水が蒸発するにつれて素敵な粘りのある「スイートスポット」の状態になり、固めで油絵具のようになります。開発段階で様々な描画用パネルに作業したとき、この性質はほぼ常にこの製品の好ましい性質だといわれました。アクリル絵具を油絵具のようにして、油絵具のように加筆したり混ぜたりできることは、決して小さな功績ではありません。

どのような絵具であっても、個々の要求に合うように調整ができるようなメディウムや増量材が必要です。オープンアクリリックス・ゲル(グロス)は、オープンの作業性と粘性を保ちながら透明性を高めることができるように開発されました。これは、色を重ねてグレージングをする、あるいは単純に経済的に絵具をもっと使う場合に大切です。オープンアクリリックス・メディウム(グロス)はゲルと成分は同じですが、粘度が低くなっています。これによって絵具の粘度を下げて流動性をよくしながら作業時間を同じに保つことができます。最後に、オープンシンナー(薄め液)はバインダーを含んでいない点が違っており、オープンアクリリックスの「溶剤」ともいうべきものです。このシンナーは、パレット上にある絵具から失われる水分と保湿剤を効果的に補ってオープンな状態に保つというパレットのコントロールに重要です。シンナーはまた、乾き始めた塗膜を再びオープンな状態にして作業時間を延ばし、さらに加筆や混合ができるようにします。

試験と評価の継続

私たちは本製品が今までにないアクリルであると考えていますが、同時に油絵具とも違いそれらの代用品でも全くありません。その特性は際立っており、従ってその用法も独特なのです。私たちは屋外用途も含んだその長所と短所を完全に理解すべく、オープンアクリリックスの試験を極限まで拡げて継続します。

企業として当社は美術館や工業科学の分野において研究や協力を行い、アクリル絵具が現代のアーティストにとって現実に最も可能性があり耐久性があることを示そうと真摯に努力してきました。オープンアクリリックスの導入により、絵具を使うアーティストにとってアクリルは最も完全なシステムであるまでに範囲が広がったと信じています。

この製品は確かにアクリル絵具ではありますが、全く違った絵具のように感じられます。オープンアクリリックスの独特な性能はこの製品の中に組み込まれています。一連のリターダーやメディウム、補助剤などを使うことなく、あるいは絵具が乾く前にあわてて作品を仕上げることなく、アーティストは作業に没頭できます。もし不透明にしたいとか、乾燥を速めたい場合には、既存の一連のゴールデンアクリル絵具やメディウムを全く自由に混ぜて希望の仕上がりを得ることが出来るようになっています。オープンアクリリックスは、従来の専門家用アクリル絵具の幅広い可能性に対し、大いなる進展をもたらします。

オープンアクリリックスは、アクリルの持つ可能性に既に馴染んでいるアーティストに対し、新たな実験や革新的な使い方、斬新な可能性を切り開き、この素材を探求しようという好奇心を奮い立たせるに違いないと信じています。



 アーティストの方々がどのようにオープンアクリリックスを使うかを継続的に調査し、ウェブサイトを更新していきますので、時々、ご訪問願います。使い方やテクニック、筆の選び方などをお伝えしていきます。


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