特筆すべきキャンバスの張り方
(その他キャンバスを準備するための要点)

By James Bernstein


はじめに
これから説明する方法は、皆さんが制作を始めたころに習ったキャンバスの準備方法とは全く違う変則的な方法だと思われるかもしれません。どうか、不信感をしばし棚上げして、以下に述べる特別な方法を試してみてください。いったんこの方法を受け入れると、目から鱗が落ちるような驚くべき結果が得られるでしょう。人生では往々にして、真理は細部に宿るものです。細かい点に注意すると、見事な仕上がりになるでしょう。ただし、前もって警告しておきます。いったんこの方法でキャンバスを張ると、それまでの方法に戻ることはできないかもしれません。

これから説明する考え方は斬新なものでも未知のものでもありませんが、人はしばしば、習慣や利便性から、あるいはその方法でやるように言われたという理由で何かをするものです。余分な努力や注意や準備が必要な手順もあります。結果は自明であり、非常に価値があり、美しく整えたキャンバスを最も長く保つことができるものだと思います。

私は40年間、絵画、画材、技法の愛好者兼学習者として、実務的な絵画修復家として、また教育者としての視点から絵画と修復に携わってきました。キャンバスの準備に関する私の知識の多くは、クーパーズタウン大学院生時代に歴史的芸術作品修復課程(現在はバッファロー絵画修復プログラム)で師事した高名な修復家キャロラインおよびシェルドン・ケック夫妻から学んだことです。その後の研究と観察を経て当時の学習内容に修正を加えてきました。


枠張りキャンバス
枠張りキャンバスは500年近く選ばれてきた絵画の形式です。木製パネルや壁面制作物(しっくいフレスコや壁に貼り付けたキャンバス)に描くなど、それ以外の形式にもそれなりのメリットはありましたが、場所が限定されたり、重かったり、大き過ぎたり、移動が困難だったりなど、制限もありました。枠張りキャンバスの導入により、木製格子組みのオープンフレームに張り付けた大型のキャンバスに絵を描けるようになり、輸送や移動が容易な、軽量あるいは適度の重量の絵を制作したりすることが可能になったのです。

もちろん、どんな形式であれ、作品の成功と長期保存の秘訣は、丁寧な準備を行っているか、まともな構造であるか、また長年にわたり作品の展示、保存、手入れ、取り扱いが適切に行われてきたかどうかにかかっています。枠張りキャンバスの絵がなぜ、どのようにして年月を経るのか、また都合よく経年していくのかどうか、その歴史をひとつずつ紐解いていきましょう。


キャンバスの準備の目的

キャンバスの適切な準備と絵の寿命とは直接関係があります。キャンバス画の場合、最も重要な要素は布の張り方です。ピンと張ったキャンバスは張り方が良いということです。張り方が良く、描画方法と手入れが適切であれば、修復の手を加えなくてもかなりの年数を経過することができるかもしれません。

キャンバスの張り方が一定でなければ、張力に差が生じます。両極端なキャンバスの張り(きつ過ぎていたり、ゆる過ぎていたり)や、平面のゆがみ(たるみ、しわ、線など)は時の経過とともに悪影響を生じさせます。キャンバスに塗ったサイズ剤、下塗り剤、絵具、ワニスにひずみが伝わり、この力が描画層に亀裂、めくれ上がり、湾曲、破片化を生じさせるからです。物理的変質や視覚的変形がいかに貴重な作品の価値を損なうことになるか、我々は皆、痛感しています(画像1参照)。


画像1..釘打ちの間隔が広いためにできた"しわ"

私の目標は、限りなくトランポリンに近い美しく均一な弾力と張力を備えたキャンバスに仕上げる技術を皆さんにお伝えすることです。時を経ても持続する平坦で、平面的で、ピンと張ったキャンバスを作り上げようとしてさまざまな失敗を経験してきましたが、この方法によりそうした失敗を抑えることができるでしょう。

実際にキャンバスを張る前の準備段階の話から始めようと思います。最高のキャンバスを準備するのに役に立つ詳細はたくさんありますが、紙面が限られているため、張り方そのものに話を絞ろうと思います。その後、末尾に記載する追加の材料や参考資料を是非お試しください(5ページの「キャンバスを張るための資源」を参照)。さらに、当社ホームページ(goldenpaints.com)の「インフォメーションシート」をご参照ください。

まず、従来のキャンバスの張り方をおさらいしましょう。


中心から外側に張る:従来の方法の誤り
最も多用されてきた張り方は、キャンバスの四辺の各中心(上下左右)に印をつけ、引っ張ってそれらの点をピンで留め、その後、辺の中心から外側に引っ張りながら作業を続ける方法です。中心から両方向に進みながら両角まで一度に数ヶ所ピン留めする画家もいますし、中心から外方向に一度に一辺の半分をピンで留め、かざぐるまを作るように四分の一ずつ回転させる画家もいます。キャンバス地の中心を固定して外側を最後まで残す方法では常に張力が不十分になります。中心の糸は最初にその場所に固定されます。引っ張ってピンで留めるという作業を繰り返すと、布は中心が固定されているため引っ張りに反応しにくくなり、ピンを留めていない部分しか引っ張ることはできません。角に近づくにつれて張力が高まります。実際、角に達するときにはとても張り詰めているため、ほとんど引っ張ることはできません(画像2a2b2c)。

画像2a
伝統的な張り方
中心に印をつけて合わせる
画像2b
中心から外に向かって張りながらピン止めを続ける

画像2c
中心を固定しているために、角の張りが制限される


キャンバス全体の縦糸方向と横糸方向に1インチごとに平行線を引いた場合、中心から引っ張る方法では、はっきりしたゆがみが表れるでしょう。中心から引っ張り始めた段階では線は平行ですが、角に近づくにつれ、線は内側に引っ張られ、外側の線を木枠の縁に持っていくことが非常に難しくなります(画像3)。

この方法だと角が張りすぎた状態になります。さて、何年か先、絵に何かがぶつかった時、辺や角がどうなるか想像してみましょう。引っ張りすぎた角と角の対角線上に亀裂が走るのは明らかです。
次に、ある部分、特に柔らかい中心部分の絵が弛んできているところ想像してみましょう。角の継ぎ目にくさびを入れて3ミリから6ミリくらい拡げると、継ぎ目のこの数ミリにとてつもない張力が生まれます。

キャンバス中央の広い部分では、3ミリから6ミリくらいの幅では意味がありません。従って、柔らかい中央を張るには、角にたくさんのくさびを入れなければなりませんが、それ以上の張力増加にはほとんど耐えられません。キャンバスが角で破れることや、絵具に角から角へと古典的で機械的なパターンの亀裂が生じることは不思議ではありません(画像4)。


画像3 キャンバス生地全体が制限されるために角が所定位置に張れない(鉛筆線のずれ)

画像4 19世紀絵画に現れたキャンバス張力による伝統的なヒビ割れ

逆転の発想:角から内側へ引っ張る
角から内側へ張りが伝わるように、逆に作業することをお勧めします。人は小さな嘘を信じてだまされてきたことを知っています。しかし、一度やってみれば、やめられなくなるでしょう。


段階的で適切な張り方
・明るく動きやすい作業場を選びます。汚れていない大きな作業台と木挽台を用意します。床を使ってもよいでしょう。床を使用する場合、埃の付着を防ぐためにきれいなポリエチのシートを1枚敷いてください。

・うまく張るために、作業場を締め切り、作業中は常にある程度一定の適度な環境を保つようにしましょう。画材に理想的な状態は摂氏17度から25度、相対湿度44%から55%です。デジタルか目盛が細かい温度計や湿度計を使うと、一目で部屋の温度と湿度を読み取ることができます。暖かく適当な湿度がある部屋の方が張りやすくなり、寒く乾燥した部屋では素材の柔軟性や可塑性ははるかに低下します。

・実際に試す際は、市販のコーティング(ジェッソ仕上げ)されたキャンバスのロールをお勧めします(既製品は工場で基本的な調整、寸断、コーティングに配慮されているからです)。コーティングされたキャンバスは慎重に取り扱ってください。一般的には丈夫ですが、連続した下塗り層に、永久的なしわや破損が生じやすいからです。

・キャンバスを広げ、繊維を調べ、織り目の方向を判断します。縦糸も横糸も織り方が均一でしっかりしていれば理想的ですが、たいていの場合、片方がきつく、もう一方が緩いものです。きつい方向が垂直方向になるように描画の方向を決め、その方向を上下にして木枠に乗せます。時が経つにつれどうしても重力で弛んできますので、こうして予防します。


画像5 釘シロが不十分な場合、張ることが非常に難しくなる

・キャンバスの上に木枠を仮乗せします。キャンバスは木枠の寸法より大きい必要があるため、その余白を設定し、それぞれのサイドに7.510センチくらいの十分な余裕を見込みます。寸法ぎりぎりは禁物です。キャンバスの余白が木枠から12センチという状態では張りにくくなります(画像5)。

・木枠を織り目とできるだけ平行に置き、キャンバスに鉛筆でうっすらと木枠の輪郭を取ります。木枠から7.510センチの余白のある輪郭を取ることも忘れないでください。木枠を横に置きます。

・次に、正確に張りやすくするために織り糸に沿って線を引きます。角の印の糸と糸の溝によく削った鉛筆の先を置き、反対側まで糸に沿って線を引きます。多くの場合、糸は特有のカーブを描くので、布の端にたどり着く頃には織り目を示す線が対応する印と合わず、23センチ、あるいは5センチほどずれてしまっていることもよくあります。これが本当の織り目で、これに沿って作業をしていきます。私はよく、最初の線から67ミリ内側(最初の線の位置によっては外側)に2本目の線を引きます。そうすれば、平行性の確認にも、またずれたときなどにも一目でわかるからです。私は外の印の内側に線を引くようにしています。そうすると、(表を上にして)張っているときにキャンバスの表に常に線が見えるからです。表を下にして張る場合、木枠の側面に線が見えるように、線は境界を示す印の外でなければなりません。

織り目に沿って鉛筆で線を引こうとすると、縦か横のどちらかの方が引きやすいことが多いです。引きにくい方向では、ともすれば鉛筆が糸から逃げて、なかなか直線が引けません。目の粗い床やテーブルに押し付けると、きれいな線が引けないため、注意しましょう。キャンバスの下には滑らかな段ボールやパネルや薄板を敷く必要があります。そうしなければ、不規則な織り目に出くわすたびに鉛筆が織り目から逸れてしまうでしょう。

織り目が細かすぎる場合あるいはジェッソを含んでいる場合、直定規を使って目安の線を軽くひいてもよいでしょう。


角から張る

木枠にキャンバスを置き、外側の木製枠に沿って鉛筆で線を引きます。どうしても中心に印をつけておきたい場合、木枠の各辺の中心にキャンバスをピンで仮止めしてもよいでしょう。キャンバスの角を固定します。そのために木枠の外周に沿ってそれぞれの角のすぐ左右を押しピンで留めます(注1参照、画像6)。ピンをすべて適切な位置に留めたときの張力をできるだけ予測しておきます。ここで中央のピンをはずし、キャンバスの中央部分を開放します。こうすると、枠張り作業の際、キャンバスへの影響が限定されるからです。角からスタートし、キャンバスプライヤー(注2参照)を使ってキャンバスを徐々に引き、張り付けていきます。急いだり、無理やり作業したりしないでください。下塗り剤や糸を損なう可能性があります。一度に23個ずつピンを留めながら周囲を固定します。(画像6)反対側に移動し続け、角から内側に引っ張る作業を続け、特定の場所を先走って完成させないようにしましょう。(画像7)中央部分はピンを留めないまま残しておき、最後のピンを留めるまで開放しておきます。枠張り作業の間中、鉛筆で引いた目安の線に注意しましょう。外周枠に沿ってまっすぐ等間隔(平行)な状態であれば、キャンバスを引っ張る力が均等であったという証拠です。

角からスタートしてキャンバスを引っ張り、ピンで留めると、留めていない中央部分は制限がない状態です。
引っ張り続けると、中央が次第に引っ張られますが、過度の不規則な張力ではありません。ここまで読んだ方はおそらく「作業を終了した時に、キャンバスの中央が大きくうねったまま行き場がなくなっていたらどうするのか」と思われることでしょう。どうぞご心配なく。そんなことは絶対に起こりません。

何が起こるかというと、いったん全体をピンで留めると、平行な参考線はキャンバス全体で平行性を保つということです。もっと重要なことは、キャンバスは今、トランポリンのような申し分ない張りと均一な張力を示していることです。(画像8)枠張りキャンバスを縦長に立て、キャンバスの一端を手で強くたたくとわかります。そうすると、波が生まれ、キャンバス全体にきれいに伝わっていくのがわかり、その後、水面の波紋のように反響してこちらに戻ってきます。この現象は、キャンバスを中央から外側に引っ張ったものでは起こりません。キャンバスの張りに差があるため、波動を吸収して止めてしまうからです。すごいと思いませんか?


ストレーナー/ストレッチャー(木枠)に張った周囲を固定する

タック(キャンバス釘)やステープルで固定する前に1日以上、キャンバスを広げて木枠にピンで留めたまま放置するのが賢明です(注3参照)。気象の変化や時間の経過により、キャンバスがたるみ、木枠で安定すると、どのくらい均等に張ることができたか、そうでないかが本当にわかります。しわ、線、たるみの跡が現れたら、そこからピンを外し、必要に応じてキャンバスを張り直すことができます。キャンバスの張りが望ましい状態になったら、キャンバスの面を下にして清潔な壁や床に置きます。床の上に置く場合はきれいな紙やグラシン紙やポリエチレンシートを敷き、塵埃が下塗り剤に付着しないように注意します。

絵画の縁を最もきれいに見せるために、キャンバスを木枠の裏まで巻きつけてステープルで固定するという方法もあります。こうすると、ほとんどの留め具を正面の描画面から遠ざけられるという効果もあります。キャンバスの余った部分を取り除いたり、切り取ったりしないでください。キャンバスの張り直しや将来の保存が必要になったときのために、必ず作業用の余白を十分に残しておきましょう。キャンバスの角も切り取らないでください。角の仕上げは、キャンバスを裏側にきちんと折り込んでステープルで固定します。(画像9)作家によってはキャンバスの端を2回以上折る人も、布をまとめて1回だけ折る人もいます。

キャンバス全体をステープルやタックで固定するまで、ピンを木枠から外さないでください。(画像10)押しピンでキャンバス表面の張力は保たれていますが、裏面をステープルで固定する直前にもう一度キャンバスを指でつまんで引っ張ります。


結論
この段階でまだ信じられないという人も多いでしょう。おそらく、「これまでずっと、中心から外に引っ張る方法でやってきたし、皆もそうしていた。しかも、手順が多すぎるし、結果に大差が出るとは思えない」と考えていることでしょう。しかし、この方法でやってみると、これがキャンバスの準備方法として最も優れていることがわかるはずです。

これは虚勢を張っているのではありません、まさに真実です。作品のためにすばらしい支持体を準備できることをお祈りします。

1
小さな助っ人たち

引っ張った所が動かないよう仮決めする際、アルミの押しピンは非常に有益です。頭部が金属でピンが長いものが作業しやすいでしょう。頭部がプラスチックでピンが短いものの方が一般的ですが、使いにくく、抜けやすく、取り付けがはずれやすくなります。Moore®100-5のアルミまたはステンレスの押しピンを数箱購入します(1100個、ピンの長さ1.6センチ)。何度も繰り返し使うことができます。

押しピンを差し込むとき、キャンバスの張りに逆らうように少し上向きにして抜けないようにします。ピンを差し込むときに回転させると、木に入りやすくなります。密度が高い木や硬質の木や樹齢の長い木を扱う場合、プラスチックのハンマー(透明の黄色)を使って木にピンを打ち込んでもよいでしょう。あまり深く打ち込まないようにしてください。深すぎると抜き取りにくくなり、簡単に再調整できなくなります(ステープルガンを使うこともできますが、必ずピンと同じ角度で打ち込んでください。繰り返しますが、深すぎてはいけません)。

3
センチ強の間隔で均等にピンを留めることをお勧めします。現代絵画でよく見られるような、タックやステープルの間隔が7センチから15センチというのは留める場所が少なすぎ、そこに大きな負荷がかかってしまいます。その結果、キャンバスの張りが不均一になり、(ホタテ貝のようなウィーン風カーテンのように)不適切なたるみやとんがりが生まれることになるのです。

2
枠張りプライヤーの造り

手と指でキャンバスを摘み、力いっぱい引っ張っても、専用の枠張りプライヤーほどにはできません。いろいろなタイプのプライヤーがありますが、画材店で購入できるものは限られています。インターネットで業者を調べたり、作家仲間にどんなプライヤーを使っているか、また実際にどの程度有効であるかを尋ねたりするのもよいでしょう。

最も一般的なプライヤーは、(ギザギザカットのフライドポテトのような)「S」字のかみ合わせが特徴の小さな長方形のジョー(掴み具)を持つプライヤーです。この造りであれば、接触面が大きいため、滑らないようにしっかり固定されます。残念ながら、鋭いジョーで下地や繊維がつぶれたり、弱まったり、時には破れてしまうこともあります。
個人的には比較的平面的なジョーを持つプライヤーがよいと思います。滑り防止として面に適度な模様をつけたものもあります。ジョーは、適度な大きさの面とすぐれた品質としっかり握るための「てこ」機能を備えたものでなければなりません。私が使っているのは、繊維が破れたり、切れたりしないよう、縁にヤスリをかけて滑らかにしたステンレスのジョーをもつプライヤーです。ほとんどのプライヤーには、ジョーの真下に突き出たセントラルヒールがついており、このヒールがてこ台の働きをします。ヒールを木枠に固定し、プライヤーを回し(前と下に押し)、キャンバスをしっかり引きます。プライヤーの設計によって、プライヤーのハンドルはさまざまな角度で設定されているので、それによって、木枠に張るとき表を上にするか、横向きにするか、表を下にするかが決まるでしょう。さまざまな作業に合せたプライヤーを持っていると役に立ちます。超大型のキャンバスには小型キャンバス用に設計されたものとは違うプライヤーが必要です。


3

タックとステープル

強力なステープルと軽いステープルのどちらが良いか悪いかについてはさまざまな意見があります。私は製作する作品の要求に適したものを選ぶようにしています。

・強力ステープルは、上手にキャンバスを掴むという平坦な形の針金です。通常、長く平坦な面を横切るのではなく、ステープルの入る2点に適当な大きさの穴をあけます。

・細い針金くらいのサイズの軽いステープルは、非常に小さい穴をあけますが、あまりに長く引くと繊維を切り込んでしまう可能性があります。

木が非常に柔らかい場合やステープルガンが強力すぎる場合、本当にどんなステープルも繊維を損なう可能性があります。手動か電動か空気圧かを問わず、打ち込む力を調節できるものが最適です。また、外に突き出るほど長いステープルは必要ありません。8ミリ~1センチ弱くらいで十分です。

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センチだと長すぎます。深く打ち込まれたステープルを抜くとき、誰が打ち込んだのかと文句を言いたくなるでしょう。

ステープルを抜くときは常によく注意しましょう。傾斜がついた、舌のような形状(トング)のリムーバーを使い、ステープルをしっかり挟んで、ステープルの下で徐々にトングを動かし、持ち上げます。ピンを抜くときにキャンバスそのものを持ち上げないようにしてください。慌てて抜いたり、工具を滑らせたりしないように注意しましょう。必要な手間を省いたり、予期せぬ事態が生じたりすると、タックを打つための大切な余白に穴が開いたり、破れたりすることになります。

キャンバスが.ステープルでだめになったり、破れたりするのを減らすこつとして、布質のバンド(綿のストラップ、麻のテープ、ポリプロピレンのストラップなど)をステープルとキャンバスのクッションとして間に挟むという方法があります。この方法は、特に、キャンバスを木枠から外し、張り直すという過程を繰り返すことが必要な絵に適しています。(画像12

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ステープルをはずすときが来たら、バンドを引き上げれば、ピンも一緒に木から引き抜けます。完全に外れない場合、一部持ち上がったステープルは、ペンチや先曲がりプライヤーで簡単に掴んではずすことができます。

タックを使うなら、銅メッキ鉄製タックをお勧めします。鉄製タックのように繊維を腐食させませんし、タック用のマグネットハンマーを使って打つときにうまくできます。ハンマーを使うとき、できるだけハンマーの柄の端(鎚のついている反対側)を握ります。そうすると、より接線方向の90度の角度ができ、あちらこちらに傾いていない、まっすぐで平坦な状態にタックを打つことができます。


INFORMATION SHEETS(日本語タイトルは翻訳済み)

キャンバス張りを成功させる環境条件
絵画のための専門家用キャンバスの選択
下塗りをしたキャンバスと、していないキャンバスの張り方
キャンバス絵画のためのストレッチャー/ストレーナーの選択
キャンバスを下にあるいは立てて、または上に向けて張る
キャンバス絵画を取り外し、再び枠張りする方法
枠張りした絵画を裏張りボードで保護する

MATERIALS CHECKLIST
Thermometer/hygrometer
Tape measure
Graphite pencil
Straight edge
Stretcher pliers
Moore® 100-5 Aluminum or Stainless Steel Pushpins
Plastic head hammer (small, e.g. 5 oz.)
Staple gun w/adjustable power
Staples
Copper plated steel tacks
Tack hammer (small, 5 oz., magnetized steel)
Tongue-shaped staple remover
Linesman and/or bent-nose pliers
Primed linen or cotton canvas; Unprimed linen or cotton canvas

SUPPLIER
Custom stretcher/strainer support manufacturer, canvas pliers, and canvas goods.

John Annesley Company
259 Brandt Road PO Box 181
Healdsburg, CA 95448
(707) 433-4238 (888) 471-4448
Fax (707) 433-1831
www.johnannesley.com

SELECTING A CONSERVATOR
American Institute for Conservation of Historic and Artistic Works
http://aic.stanford.edu/
AIC Selecting a Conservator
http://www.aic-faic.org/guide/form.html

BIBLIOGRAPHY
Gettens, Rutherford J. and George L. Stout.
An Encyclopedia of Painting Materials,
NY: Dover Publishers. 1942/1966. 333 pp.

Gottsegen, Mark David.
The Painter’s Handbook - Revised and Expanded,
NY: Watson-Guptill Publications. 2006. 357 pp.

Per James Bernstein, www.jamesbernstein.com



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