Golden History

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色の命名法

サラ・サンド

はじめに

当社のウェブサイトでは、製品全色について、実物の絵具を表示するよりもはるかに視覚的に優れたバーチャルドローダウン(注)を設け、その横に豊富な情報を記載しています。どんな色かと聞かれたときや、同じような色を使うようとに言われたとき、ほとんどの人は、無意識に画像を参考にするでしょう。しかし、絵具の名前や顔料の種類から推測したり、マンセル表色系やPantone®マッチングシステムを使って調べたり、CIE L*a*b*の数値をPhotoshop®に入力したりする人もいるかもしれません。本当の色を知るには、どの方法が最も正確なのでしょうか?以下の文はその問いに答えようとするものであり、たとえ答えは出なくても、少なくとも補足的なツールと定義を使って取り組み、伝えようとするものです。
(注)ドローダウン:フィルムアプリケータという器具で試験紙に一定の厚みで絵具を塗付した色見本。

ラベル表示

ASTM

どんな名前であろうとローズがきれいな色であることに変わりはありませんが、実際にはキナクリドンレッドPV 19と表示しなければ、アメリカ試験材料協会(ASTM)に適合しません。ASTMという略称で知られるこの協会は、画材の試験と品質に関する最低基準の策定に重要な役割を果している組織ですが、概してその実情はあまり知られていません。仮に画家がASTMを知っているとすれば、通常、絵具のチューブの裏に小さく印刷された慢性健康被害に関する情報と併記される「ASTM適合品D 4236」という表示を読むときか、あるいは一般的に使用されている耐光性等級に基づくものでしょう。しかし、色の話をする時、ASTMの絵具表示要求事項(D 5098-03など)がどれほど重要な役割を果しているかということはあまり話題になりません。1984年に初めて公表されたこの基準はまさに、連邦と州が義務づける健康被害警告文の表示以外に、絵具に正確な表示がなされていることを示す唯一の保証になっています。絵具のチューブや容器に、当該ガイドラインに適合すると明記されていない場合、購入しようとする絵具について画家自身は何も知らされていないということになります。残念ながら、これまでこの基準に完全に適合しているメーカーはゴールデン社以外に数社しかありません。実際のところ、適合についてはこれまでずっと任意でしたが、是非知っておいていただきたいのは、これらが最低限守るべき指針であり、正確で一貫した情報を画家に提供することがすべてのメーカーの明確な使命と責任であるということです。

基準そのものはかなり簡単で、配置の問題以外に大きな要求は3つ、すなわち、ラベルに色の耐光性等級を記載すること、絵具に含まれる顔料ごとに公式な共通名とカラーインデックス一般名の両方を表示すること、正規に使用される顔料の代わりに別の顔料を使う場合は必ず絵具名に色相を表す「ヒュー」という用語を盛り込まなければならないということです。基準の定義にあるように、カドミウムレッドヒューが実際にはカドミウム顔料を使用していないという意味であることはよく知られていますが、他にも、インディアンイエロー、ファンダイクブラウン、サップグリーンなど、かつて流通し、今では製造されていない多くの色もこの定義に当てはまります。残念ながら、この基準は厳守されず、言葉の使い方も非常に曖昧であったため、より安全な色、より長持ちする色、または入手不能な色を純粋に提供しようとする多くの場合においても、「ヒュー」という言葉は、安価に製造された代用品の印と思われがちなのです。

バーントシェナ Burnt Sienna 

顔料分類:天然無機
化学表示:焼成天然酸化鉄
不透明性/透明性: 2
耐光性ランク: I
耐久性: 堅牢
カラーインデックス名: PBr 7
カラーインデックス番号: 77491
マンセル表示:
色相: 3.0 YR
明度: 3.25
彩度: 4.0
パントーンマッチングシステム: PMS 175
分光光度計測定値: N/A
粘度範囲: 20000-23000 CPS
PH
範囲: 8.3-9.0
光沢平均値: 13.63
CIE L*a*b*
: L*33.67 a*16.86 b*12.58
濃度: 80.56

 

カラーインデックス

色、顔料、絵具について話すなら、カラーインデックスに言及しないわけにはいきません。無数の色を掲載したこの分厚い資料は、チューブの中の色の成分を正確に知りたいと思う人にとって聖杯のようなものです。1925年、英国染料染色学会(SDC)が初めて公表し、現在では米国繊維化学技術・染色技術協会(AATCC)と共同運営されているカラーインデックスは、市販のすべての色材に関する公式な指標を形成しています。現代の画家が使ったことのある顔料はすべて、他のあらゆる産業の顔料とともに、このカラーインデックスで見つけることができます。色別に編成されたリストごとに、CI(カラーインデックス)一般名、組成番号、染料・顔料の共通名が割り当てられています。しかし、これをラベル表示するには、通常、PY 43PB 29などの暗号のようなコードが使われます。

いくつかの基本事項を心得ていれば、リストの情報をほとんどすべて判読することもそう難しいことではありません。

CI一般名はよくラベルに表示されていますが、常に3つの要素が含まれています。

- 色材の種類

頭文字で指定されます。当社にとって絵具の最も重要な要素はPで指定される固体の顔料です。他の業界では、D(染料)やS(油溶性染料)など、他の要素の方が一般的です。

- 色相

R(レッド)、O(オレンジ)、Y(イエロー)、G(グリーン)B(ブルー)、V(バイオレット)、Br(ブラウン)、W(ホワイト)、Bk(ブラック)、M(メタリック)の10種類に分類されます。

- 登録番号

新しい顔料を一覧表に加える際に、上記の分類ごとに、各顔料に連番を割り当てます。時代とともに顔料が陳腐化し、除外されるため、番号に欠番が生じることもあります。

組成番号

ラベルにはあまり記載されていませんが、当社の顔料IDチャートや当社ウェブサイトのカラードローダウンなど、情報量の多いリストには記載されています。メーカーから提供される場合、色材の化学構造に基づく5桁の数字が割り当てられています。

共通名

一般的に使われている顔料の共通名です。絵具や顔料のメーカーはよく独自の名前をつけますが、それとは別のものです。

上記の例を使うと、PB 29は、ピグメントブルー29、すなわち青色顔料の29番目を表します。組成番号77007は、ナトリウム・アルミノ・珪酸塩の多硫化物としての化学組成を表します。この色の共通名は、よくご存知のウルトラマリンブルーです。

では、これが何の役に立つのでしょう?コードを色に結びつける道はどこにあるのでしょうか?このシステムの間違いなく最大の長所と価値は、絵具にどんな顔料が含まれているかを正確に知るための国際的に認知され、標準化された信頼できる方法を画家に提供することです。実際の成分とは無関係の一般的な色の名前を製品に使用したためにASTM基準に適合しない場合であっても、カラーインデックス情報はおそらく信頼できるでしょう。なぜ「おそらく」なのでしょうか?たとえ適切な基準があったとしても、ASTMには強制力がないため、ラベルの正確性には依然として信頼の問題が大きく残るからです。こうしたコードや規制は、購入する絵具から詩のようなロマンの最後の名残をしぼり取ってしまうように思われるでしょうが、おかげで画家は、絵具の購入時に何を購入しようとしているのかを正確に知ることができるのです。

限界

カラーインデックスは不可欠で信頼できるものですが、限界もあります。ある絵具にどの顔料が含まれているのかを相互参照するには、指数は確かに有益ですが、それだけで必ずしも実際の色相がわかるわけではありません。なぜなら、一つの顔料のさまざまな色調や品質が同じカラーインデックス名を共有していることがあるからです。顔料メーカーにウルトラマリンブルーを注文すると、驚くほど変化に富んだ15種類以上の色調の中から選ばなければならないことがありますが、すべて紛れもなくPB 29なのです。カドミウムも同様に注意が必要です。PR 108は、温かみのあるカドミウムレッドライトの可能性もありますし、クールで深みのあるカドミウムレッドディープの可能性もあります。PY 35も同様に、カドミウムイエロープリムローズの場合とカドミウムイエローディープの場合があります。これらはカラーインデックス名だけでなく、組成番号までもが同じであるのに、全く違う色なのです。合成酸化鉄と天然酸化鉄も、驚くほど広範囲にわたります。合成酸化鉄を表すPR 101は、濃い不透明なバイオレットオキサイドにも、半透明のトランスペアレントレッドアイアンオキサイドにも属しますが、天然酸化鉄をあらわすPBr 7は、ローアンバーからバーントシェナーまでのあらゆる色に使われます。より近代的な有機顔料もご多分にもれません。PV 19は、キナクリドンバイオレットとキナクリドンレッドの両方を表します。事を一層複雑にするのは、一つの通称が複数の顔料に属することです。たとえば、「ローシェナー」は、PY 43にもPBr 7にも使用することができます。基本的な化学的性質が本質的に同じであるため、構成番号も同じになるのです。色相の違いは酸化鉱や特定鉱物の含有度の違いによるものです。しかし、がっかりしないでください。色を表すための一隊が続いています。

比色分析と色彩測定

カラーインデックスの主な焦点と目的は市販顔料を分類整理することですので、色を正確に分類するために必要なツールにはなりません。産業界も科学界も、正確な分類方法が必要であったため、さまざまな色空間モデルと、一般的な定量色彩測定の分野である比色分析から得た分析手法に取り組まなければなりませんでした。最終的に、この技術とシステムは、認識可能な色の正確な色相を正確に記録し、比較し、伝達するための中立的で客観的な言語を与えてくれました。以下の項に、この目的で最も広く使用されている2つのモデル、すなわちCIE Labとマンセルについて説明し、印刷業界で広く使われているCMYKとディスプレイ業界で広く使われているRGBなどの代替システムを検証します。

CIE LAB

1976年、科学的色彩測定の公式基準策定機関である国際照明委員会(CIE)は、CIE Lab(正確にはCIE 1976 L*a*b*)と呼ばれる色彩モデルを開発しました。その目的は、認識可能なすべての色を均一的で装置独立な方法で表すシステムを確立することでした。「均一的な」とは、色空間を等間隔で区切ることにより、標準観測者が見て均等に感じられる色の違いを表現することを意味します。標準観測者とは、普通の視力を持つ人の認識力に関する広範な調査からCIEが作り出した構成概念です。「装置独立」とは、特殊なプリンタやモニタなど、特定の媒体や装置に固有の制限に影響されない色空間を指します。CIE Labにはこのような制限がないため、人の目が認識する色を表現し、さまざまな装置から生まれるさまざまな色空間同士のほぼ普遍的な翻訳者の役割を果します。その結果、こうした利点のおかげで、CIE Labは、すべての色彩管理システムにとって、また情報の計算と伝達を装置独立形式で行う必要がある場合において、最も広く利用される権威ある基準になりました。CIE Labはまた、ASTM耐光性等級の決定に使用する数式の最重要部分であり、当社の調色や色彩分析操作の中核をなし、出来上がった絵具だけでなく原材料の顔料にとってもバッチごとの一貫性を保証するために必要不可欠なものになっています。

実際のCIE Lab空間は概念的にはかなり理解しやすいものです。すべての三次元モデルと同様、対応軸に沿って示された3つの座標であらゆる点を定義することができます。それぞれの色の配置に関してCIE Labが使用する変数は下記の通りです。

L*:明るさ、すなわち明度。尺度は0(黒)から100(白)。

a*:赤緑色要素。数値がマイナスの場合、緑が強く、プラスの場合、赤が強い。

b*:青黄色要素。数値がマイナスの場合、青が強く、プラスの場合、黄が強い。

CIEの設定基準を使って正確に較正した分光光度計で測定を行います。一例として、ヘビーボディアクリリクスから得た典型的な数値を挙げます。

CIE L*a*b* 数値:L*78.51, a*18.46, b*89.29

数字だけを見てどんな色かを正確に推測することは難しいでしょう。L*の数値が高いということはかなり明るい色であるということ、a*はやや赤みがかっていること、b*は黄色の要素が非常に強いことを示しています。非常に明るく、やや温かみのある黄色を想像したなら、基本的に正しいでしょう。もっと重要なことは、適切なソフトとツールがあれば、世界中の誰でも、この数字さえわかればハンザイエローミディアムの色をかなり正確に再現できるはずだということです。陽光やレモンというような詩的な伝達手段であるとはとても言えないにせよ、詩的表現を失う一方で正確さを得ることは確かです。

マンセル

CIE Labと並んで、マンセルはおそらく世界で最も広く普及し、利用されている表色系でしょう。もともと、アメリカ人の画家であり教育者でもあったアルバート・H・マンセルが1905年に作ったもので、色を論理的に配置しようとする初の試みではありませんでしたが、系統的空間内で表面色を指定するシステムを確立した点で最も成功したものでした。彼は3つの属性、すなわちある色を別の色と区別する性質である色相、飽和度と似た概念である彩度、色の明暗の度合いを示す明度をシステムの基礎とし、これらを「カラーツリー」と名づけた不規則的な3次元モデルに編成しました。黒から9つの無彩色グレーを通過して白に到達する明度スケールがカラーツリーの中央を貫き、これが感覚的に等しい明度の移行を示す縦軸を作っています。赤、黄、緑、青、紫からなる5つの基本色とさらに5つの混合色からなる等間隔の色集団が軸を取り巻くように配置されています。彩度は、ある色の最も飽和した状態から同じ明度の対応するグレーに向かって、同様に感覚的に等しく刻まれた尺度により測定されています。

3つの主な色特性を全方向に感覚的に等しく区分し、一貫した方法で組織化するという特徴は、マンセル・モデルの最も意義深く認識可能な特徴の一つであり、後に生まれたほぼすべての主要なシステムに大きな影響を及ぼしました(Landa, Fairchild, 2003)。この主要区分をさらに小さな間隔に再分割することで、空間内のどんな色も、色相、明度、彩度によって簡単に指定することができるようになりました。たとえば、上に述べたハンザイエローミディアムの仕様は下記のようになります。

色相2.0Y、明度7.75、彩度16.8。マンセル表色系の表現は、H V/C2Y 7.75/16.8

マンセルの数値は通常、ある色見本を色図表に組み込まれた既存のカラーチップと直接比べることによって決定されていることは認識しておくべきでしょう。これは、CIE Labが唯一信頼する分光光度計の数値とはまったく異なる手法です。ニュートラルグレー色を背景に用い、照明を調整するなど、色を検証するために多大の注意を払ったとしても、この種のシステムが抱える限界があります。人間の感覚が関わる限り、ある程度の主観的な判断や解釈は避けられないため、オペレーターによって違う結論が出ることもありがちなのです。マンセルのシステムは、人間の感覚の範囲よりもむしろ、チップ作成用の色の範囲が限られているという拘束も受けます。もちろん、色見本は厳しい基準に基づいて繰り返し正確に製造すべきものですが、時の経過とともに劣化しますので、このシステムを利用する場合は、色図表の控えを参考として保管しておく必要があります。しかし、これらをすべて考え合わせても、マンセルが最も把握しやすいモデルの一つであることには変わりなく、その制限内で、正確性、柔軟性、直観性を兼ね備えた色評価ツールを望む人にとって価値あるツールです。

他のカラーモデル

装置依存 RGBCMYK

CIE Labもマンセルも普遍的秩序と包括的構造を持つ優れたモデルですが、それでもコンピュータの画面や印刷物というはるかに無規則な世界と対峙しなければなりません。モニタ、テレビ、プリンタ、スキャナ、デジタルカメラ、そして携帯電話さえも、すべて固有の色空間という形で登場しました。同様に、同じ画像でも印刷する装置が違ったり、見る画面が違ったりしたとき、時に劇的で予測不能な色の変化が生じるという経験は誰しもあるでしょう。装置ごとに独自の仕様、同じ色データに対する独自の解釈方法、独自の限界があるようです。メーカーによっても色の認識と見方は若干異なるようです。

たいていの場合、こうした装置はすべて、先に紹介したCIE Labやマンセル・システムとは全く異なる方法で機能するRBGまたはCMYKカラーモデルに基づいて作動しています。CIE Labとマンセル・システムでは、定義された変数一式で特定の色を表現していました。対照的に、RBGでは光の加法混色、CMYKではインクの減法混色により、一般化された入力事項の比率に基づいて表現します。色の指定というよりも、混色のレシピという方が近いかもしれません。各装置が独自のパラメータのみに基づきこれらの数値を解釈するため、このシステムは「装置依存」と呼ばれるようになりました(Fraser, 1995)。

RGB          

レッド、グリーン、ブルーを表すRGBは、コンピュータ画面やテレビなど、ディスプレイ画面で最もよく見かける色空間であり、赤と緑と青の光の量を変えて色を表現します。幾何学的には、赤、緑、青が3つの頂点に位置し、白、黒、二次的混色が他の頂点に位置する立方体としばしば表現されます。空間内のそれぞれの位置は、三原色の相対量を表す3つの数値で定義され、0-255の範囲で表現されます。たとえば、このシステムで指定することのできる最も純粋な赤は、R:255 G:0 B:0と表されますが、RGBの数値一式を知るだけで、どんな色になるのかがわかるわけではありません。そのため、数値がRGBシステムのどのバージョンに属するのかを知ったうえで、具体的な色空間に基づき較正された画面でそれらを表示する必要があるでしょう。たとえば純粋な赤を、ある装置で表現することのできる最も飽和度の高い赤と想定しても、どんな赤なのかという問題が残ります。携帯電話か、HDTVか、液晶表示モニタか、CRTかによって、また想像できる他の変数すべてを考慮すると、単純に本当の色を知るという方法はないのです。

CMYK

グラフィックスや印刷に関わる人なら誰でも知っているこのバージョンの色空間は、最高品質の複写から手ごろなインクジェットまで、あらゆるカラー印刷で使われています。このシステムの最も一般的な方法は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインクでさまざまな色を表現する方法です。CMYKの数値は各インクの濃度を決定する比率として表されます。たとえばバーントシェナーに近い色を数字で表現すると、C25, M70, Y90, K35のようになるでしょう。しかし、RGBで見たように、これらの数値は一般化された色材の量を表しているだけで、不変の色空間内の具体的な色相を表現するものではありません。実際、この点において、CMYKは、RGBよりもはるかに不確実性を伴うといえるでしょう。このモデルでは、プリンタの種類、使用するインクシステム、印刷下地、そして環境条件さえも、すべての要素が、色の再現力に影響を及ぼすのです。入力装置の性質さえも結果に影響を及ぼすでしょう。最後に、比較的小さなインクセットに限定されているので、CMYKは、検証したカラーモデルの中でとりわけ範囲が最も制限されています。現在のシステムでは6色、あるいは8色を使用するタイプが多いのですが、インクの数が増えてもまだ、他の方法の表現レベルには及びません。

固有色空間

多くの独自のシステムがあり、これらは「固有色空間」と呼ばれることもありますが、真の意味において実際にはカラーモデルではありません。完全で一般的な色空間を作ろうとするものではないため、その固定されたシステム以外の色を測定したり、転換したりすることはできません。むしろ、多くの色見本帳に組み込まれた正確なカラーチップの集大成にすぎません。見て簡単にわかる形式、デザイナー、グラフィックアーティストや他の専門家が手軽に参照し、既成の標準化されたさまざまなソリッドカラー(固有の色)を指定する方法として役に立ちます(Apple, 2005)。

これらのシステムは複雑な画像の作成には特に有益ではないかもしれませんが、その配合は特定企業のインクシステムおよび使用する紙やコーティングの種類に結びついているため、膨大な数の管理が可能になります。この詳細なレベルまで工程を管理することにより、パラメータが開放されたままで変動するという、先のCMYKに見られた問題を避けることができます。

Pantone®

パントンは、この分野で最も広く知られており、パントンマッチングシステム(PMS)は、標準化され、正確に印刷された1000色以上で構成されるパントン独自の色見本帳です。このシステムでは、コート紙、上質紙、マットコート紙の色見本帳があり、それぞれに対応する独自のインク配合が用意されているため、プリンタで正確に色を再現することができます。このカラーガイドは標準参照見本として国際的認知度も高く、理論上、対応するパントンブックで調べた所定の比率で所定のインクを混ぜれば、誰でも、どこででもその色を再現することができます。

当社も時々、パントンのこの番号に合う色を作ってほしいという要望を受けることがあり、カスタムラブは喜んで対応しています。当社ウェブサイトの仮想カラーチャートで希望の色をクリックすると、それぞれの色に対応するPMS色番号が記載されています。次に現れる大きなドローダウンは、パントン対応システムの数値を表しており、たとえば「PMS123」は、ハンザイエローミディアムに対応します。

他の色彩用語

上記のさまざまな分類方法以外に、画家がよく使う用語は他にもたくさんありますが、その中で注目すべきものを以下に記載します。

 

有機/無機

この分類は、色ではなく、特に顔料の化学的性質を表すものですが、画家は購入する色を選ぶときにこの区別を参考にすることがあります。有機顔料は、石油と天然ガスから合成的に作られたもので、一般的に有機化学の明確な特徴である炭素化合物を主成分とすることからこの名前がついています。 それに対し、無機顔料は、一般的に金属酸化物の結晶から作られたもので、多くは採掘されたものですが、有機顔料と同様、合成的に製造することもできます。ウルトラマリンブルーと合成酸化鉄などがそうです。

この最後の点は重要です。なぜなら、有機/無機という言葉が人工的な合成顔料と天然資源に由来する原初的な顔料との違いを表していると誤解されていることが多いからです。実際には、顔料の大部分は、天然のアースカラーですら、メーカーに搬入されるまでに大規模な工場で高度な技術によって加工されているのです。

透明/不透明

透明度または不透明度を測定する基準は今のところありません。また、当社の等級も含めて、ほとんどの場合、同様に配合された見本を検証し、相互に比較するという方法で等級がつけられています。難しいのは、もともと透明である顔料も、チューブから出したままの濃度で使用すると、特に顔料の量が多い場合は、濃く、不透明に見えることが多いことです。フタロブルーがよい例です。厚さ250ミクロン(10ml)のドローダウンでは、コバルトブルー、パイロールレッド、カドミウムオレンジなどの通常不透明な色と同じ等級になりました。しかし、薄く塗ったり、ゲルと混ぜたり、メディウムで薄めて使うと、違った一面を見せ、透明な美しいグレーズ(透明)色になります。

マストーン/アンダートーン

表面を完全に覆うくらい絵具を厚く塗ったときの絵具そのものの色がマストーンです。下地の色が透けて見えない状態です。それに対して、白い表面に絵具をごく薄く広げたときに見えるのがアンダートーンです。カドミウムやコバルトなどの色は、マストーンもアンダートーンも似ています。キナクリドンやフタロのような透明の有機色の場合、予想と全く違うアンダートーンが見えるでしょう。

濃度

ある色が別の色の特徴を変える力を言います。当社では、ある色に同量のチタニウムホワイトを加え、その結果生まれた色の濃度を観察してこれを決定します。濃度の低い色に混ぜると明るいパステルカラーになります。濃度の高い色に混ぜると暗い色ができます。

他の資料

色彩理論、命名法、モデルに関する重要文献は、枚挙に暇がありません。本稿が差h章した書籍、ウェブサイトその他の資料については、www.goldenpaints.com/justpaint/jpindex.phpをご参照ください。

さらに、数年前、当社は、色彩理論と伝統に関する2冊の本の出版を陰ながら応援させていただきました。これらの本は今も当社が提供しており、この分野の豊かな歴史を身近な方法で調べ、取り入れることに興味のある方にはすばらしい出発点になるでしょう。

 

Just Paint メニュ

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